街とつながるJP百景 Vol.2 未来の自分への手紙を新成人に届ける! 自治体とともに地域を盛り上げる岸和田岡山郵便局

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日本全国にある2万4,000もの郵便局。それぞれの郵便局の景色は、その街で働く人、暮らす人とのつながりによって作られています。本企画では、地域と協力しながら、ユニークな取り組みをして独特の景色を作りだしている郵便局をピックアップ。第2回は、岸和田市の成人式で行われた岸和田岡山郵便局の取り組みを紹介します。

新成人のお祝いにぽすくまも駆けつけた!
ちきりくんから託された「未来へのメッセージ」

「ちきりくーん! ぽすくまー!」
2022年1月10日(祝)。岸和田市の成人式に登場したのは、岸和田市のイメージキャラクター・ちきりくんと、日本郵便のキャラクター・ぽすくまです。

岸和田市が10年間保管していた2,124通の「未来へのメッセージ」が、ぽすくまへと託されました。

壇上でちきりくんからぽすくまへと渡されたのは「未来へのメッセージ」。成人式に出席している新成人の皆さんが、小学校5年生のときに10年後の自分自身に宛てて書き記したもので、ぽすくまから新成人の皆さんへと返却されます。メッセージを見て当時を振り返るとともに、20歳を迎えた「今の自分」も見つめ直すきっかけになればと企画されました。

成人式で「未来へのメッセージ」をいち早く手にした赤坂 大地(あかさか だいち)さま

新成人代表として赤坂 大地さまが、壇上で手渡された自身の「未来へのメッセージ」に目を通しました。「小学5年生のときに自分が書いたメッセージを読んで、目指していた夢に近づけているなと感じました。これからも周囲の人に感謝しながら生きていきたいです」(赤坂さま)

岸和田下野町郵便局勤務 那須 美由貴(なす みゆき)さん

新成人の中には、岸和田下野町郵便局に勤務して2年が経つ那須 美由貴さんの姿も。「未来の自分にメッセージを書くことは、楽しい取り組みだなと感じています。10年間を振り返ることで、次の10年の目標も見えてくると思います。私は、これからも地域に寄り添う郵政グループの一員として、お客さまのために働いていきたいです」と、新成人としての抱負を語りました。

岸和田市長からマグネットとステッカーが贈られました。

岸和田市は今年の11月1日に市制施行100周年を迎えます。この「未来へのメッセージの返却式」は、100周年を記念した最初の事業です。式場となった岸和田市立南海浪切ホールの「祭りの広場」では、市制施行100周年のPRグッズであるマグネットとステッカーの贈呈セレモニーも開催されました。

記念ステッカーが貼られたバイクに「未来へのメッセージ」が詰め込まれます。
配達に出かけるバイクを、ちきりくんとぽすくまがお見送りしました。

マグネットとステッカーは、岸和田市内の郵便局が所有する自動車約30台、バイク約120台、合わせて約150台に貼られ100周年の周知に活躍します。ちきりくんから託された「未来へのメッセージ」も、新成人の皆さんの元へ運ばれていきました。

市制施行100周年を迎える岸和田市を
市内の郵便局も一緒に盛り上げていきたい!

「未来へのメッセージ」の返却式をともに行った岸和田市と岸和田市内郵便局。取り組みの始まりは、郵便局から声を掛けたことがきっかけと話すのは、岸和田岡山郵便局局長 森 振一郎(もり しんいちろう)さんです。

岸和田岡山郵便局局長 森 振一郎(もり しんいちろう)さん

「100周年は大きなイベントです。岸和田は市内に郵便局が27あるのですが、一緒に盛り上げることができないかなと市に相談に行ったんです」(森さん)

そのときのことを、岸和田市総合政策部企画課 羽室 貴之(はむろ たかゆき)さまも振り返ります。

岸和田市総合政策部企画課 羽室 貴之(はむろ たかゆき)さま

「市では、保管していた『未来へのメッセージ』を新成人の皆さんにどうお戻しするのがいいかなと考えていたところでした。郵便局さんから積極的にお知恵をいただいたおかげで、返却式を盛り上げることができたと思います」(羽室さま)

岸和田市と岸和田市内郵便局は2018年に包括連携協定を結んでいますが、それ以前から長くお付き合いがあると岸和田駅前郵便局局長 白浜 一代(しらはま かずよ)さんは話します。

岸和田駅前郵便局局長 白浜 一代(しらはま かずよ)さん(左)

「岸和田城のお城まつりに郵便局が出店するなど、全国からいらっしゃるお客さまをおもてなししてきました。市制施行99周年であった昨年には"きゅうきゅう"にちなんで、市が発行している『岸和田市きんきゅうカード』を郵便局の窓口でも配布したいとご提案し、置かせてもらっています」(白浜さん)

そのような取り組みを通じて岸和田市と郵便局は、互いに連絡しやすい関係性ができあがっていると羽室さまも実感されています。

「100周年事業に限らず、困ったときに頼り合えればいいですね。これからもさまざまな形で連携して地域を一緒に盛り上げていければと思います」(羽室さま)

岸和田市の市制施行100周年の記念事業は、始まったばかりです。郵便局でも100周年記念の風景印をつくるなど、さまざまな企画を予定しています。

「市内27の郵便局で11月1日の記念日までカウントダウンをPRする日替わりの企画も考えています。お客さまに『郵便局に行ったら何か楽しいことがある』と思ってもらいたいですね」(森さん)

「用事がなくても、来てもらっていいんです」
地域の方々に親しまれる存在を目指して

「岸和田市は大阪府内で大阪市と堺市の次にできた市で、それだけ長く続いている自治体なんです。それに裏付けされているのかなとも思いますが、お互いが支え合う土壌があるから発展していくのではないかと思います」(森さん)

「岸和田から出たことがない(笑)」と笑顔で語る森さんは、生粋の岸和田人。

岸和田といえば、江戸時代から300年以上続く「岸和田だんじり祭」が受け継がれている地。祭では、重さ4トンを超えるだんじりが、威勢のいいかけ声とともに街中を走ります。

「私もずっと祭に参加してますが、やっぱり、重いものを一緒に引っ張る仲というのは違いますね」と森さん。生まれも育ちも岸和田という森さんは、ふだんからよくお客さまに声をかけられるのだとか。

「外で『局長さん』って声をかけられると、やっぱりうれしいもんです。『昨日はあそこにおったなぁ。どうしたん』とかね(笑)」(森さん)

白浜さんは、郵便局を訪れるお客さま同士も距離がとても近いと感じるそうです。

「郵便局に来た年配のお客さまがわからないことがあって困っていると、たまたまそばにいた若い方が助けてあげたりなんてところも見かけます。"知り合いの知り合いは、みんな友だち"。そんな言葉が岸和田には似合うんじゃないですかね(笑)」(白浜さん)

終始和やかに語り合う森さんと白浜さん。郵便局同士の距離感も近い。

最後に、そんな岸和田で郵便局はどんな存在でありたいか聞いてみました。

「岸和田でも住んでいる方の高齢化がさらに進んでいくと思いますから、もっと身近な存在でありたいです。困ったときに頼って聞きに来られる、明るいスポットでありたいですね」(白浜さん)

「用事がなくても来てもらっていいんですよ。それくらい気軽に郵便局に来てほしいです。頼りにしてもらえたらうれしいですね」(森さん)

※撮影時のみマスクを外しています

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