たびぽすと プラモデルの聖地・静岡を歩く。街に点在する「プラモニュメント」を巡る旅

たびぽすと プラモデルの聖地・静岡を歩く。街に点在する「プラモニュメント」を巡る旅

あなたに伝えたい旅路がある。

そこでしか見られない景色、そこでしか感じられないものを写真に収めながら旅を進めていく。
今回向かったのは静岡県静岡市。徳川家康が過ごした歴史ある街であるとともに、全国のプラモデル出荷額の約8割を占める「プラモデルの聖地」。

そのシンボルとして、市内各所に設置されているのが「プラモニュメント」と呼ばれるプラモデル型のモニュメントです。その設置数は、15カ所16基(2026年1月末時点)。今回は市内に点在するプラモニュメントを巡るまち歩きの旅に出かけました。

JR静岡駅の南口を出ると、さっそくロータリーの先に真っ青なプラモニュメントが見えます。これは「模型の世界首都プラモニュメント」。最初に設置された記念すべき一基です。人型のパーツの前に立つと、あたかも自分がプラモデルのパーツになったような写真が撮れるそう。
足早に歩く出張中らしいビジネスパーソンも足を止め、写真を撮っていました。

駅から10分ほど歩くと、静岡市役所 静岡庁舎新館の前に、よく見慣れたあの赤いオブジェが......。そう、これは「郵便ポストプラモニュメント」。郵便ポストが分解され、プラモデルのパーツのように配置されています。

なんとこのプラモニュメント、実際に投函することができる本物の郵便ポストというから驚き。こうして眺めている間にも郵便物を投函する人の姿がありました。

郵便ポストプラモニュメントのある静岡庁舎 新館の隣に立つのは、1934年竣工の静岡市役所 静岡庁舎本館。外壁が象牙のタイル張りであり、テラコッタが多用された4階建ての建物で、青いモザイクタイルのドームが印象的な街のシンボルです。

日本初の登録有形文化財でありながら今も現役の庁舎で、館内を自由に見学できたのでちょっと寄り道。1階正面階段の途中、中庭へと続くステンドグラスの扉越しに幻想的な光が差し込み、時間を忘れるほどの美しさでした。

本館を出て外堀側からドームを眺めると、朝方は白い雲に覆われていた空がすっかり青空に変わっていました。
次の目的地へと向かいます。

静岡市役所から駿府城公園に向かって3分ほど歩みを進めると、「徳川家康公甲冑プラモニュメント」に出合いました。これは、若き日の徳川家康が身に着けたとされる金陀美具足(きんだみぐそく)をモチーフにした黄金色のプラモニュメントです。外堀を背景に堂々と立つ姿は迫力満点で、立ち止まりカメラを向ける外国人観光客の姿も。繊細な造形も見事で、思わず息をのみました。

駿府城公園のなかを進むと、鷹を腕に乗せた徳川家康の銅像が立っていました。高さ6.5mとずいぶん大きく威厳があるその姿は晩年のもの。
8歳から19歳までを今川家の人質として駿府城で過ごし、将軍職を退いた後もこの地に暮らした家康。75年の生涯のうち、およそ3分の1をここで過ごしたことになります。
昔も今も静岡を見守っているのかもしれません。

たくさん歩いたので、駿府城公園の一角にある紅葉山庭園でお茶を一服。
庭園には富士山に見立てた小山があり、小さな滝から池へと水が流れています。

お茶をいただくのは庭の奥にある茶室。立派な佇まいに少し緊張しましたが、椅子に座る立礼席(りゅうれいせき)だったので安心して入ることができました。
茶を注ぐ音に耳を澄ませ、静岡名産の緑茶を一口。浅蒸し茶のわずかな渋みと、後に残る甘みを味わいました。おいしいお茶のおかげで、足の疲れがすっと抜けていくのを感じました。

文化や娯楽が集まる静岡市の中心街を、地元の人々は「おまち」と呼ぶのだそう。今回の旅で歩いたのは、まさにその「おまち」でした。
夕暮れ時、おまちで静岡グルメを味わいたくなったので、「青葉おでん街」と「青葉横丁」へ向かいます。

静岡には昭和30年代の屋台文化をルーツに持つおでん店がたくさんありますが、代表的なのがこの二つ。20軒ほど店が並ぶ「青葉おでん街」は、ネオンや花飾りで彩られ、昭和レトロを感じさせるノスタルジックな雰囲気です。

昭和通りを挟んで青葉おでん街の反対側に広がる「青葉横丁」では、「しょうちゃん」へ。祖母からこの店を引き継いだという店主が迎えてくれました。

カウンターに並ぶのは、継ぎ足し続けた出汁(だし)で煮込まれた黒はんぺん・大根・白焼きなどのおでん。真っ黒に染まり見た目にはインパクトがあるものの、口にすると意外に優しい味わいです。煮干しやさばなどのふしを粉末にした「だし粉」も欠かせません。

静岡おでんを堪能したあと、最後にもう一度、おまちの中心にある「郵便ポストプラモニュメント」へ。

プラモデルが人の手で完成するように、この郵便ポストに投函されたはがきも人の手で届けられます。
そんな温もりを思いながら、プラモニュメントを巡るまち歩きの旅を締めくくりました。

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