日本の最西端で出会う、ここだけの景色。与那国島の郵便局

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全国津々浦々に点在する郵便局。街にも、山にも、海の向こうの島にも、人の暮らしがあるところには、必ずその姿があります。
では、"日本のいちばん端"に立つ郵便局は、どんな風景の中で息づいているのでしょうか。
地図の果てを追いかけるように、今回は日本最西端の有人島・与那国島(よなぐにじま)にある久部良(くぶら)簡易郵便局と
与那国郵便局を訪れました。社員がおすすめする島の風景やスポットもご紹介します。
国境の島は、馬と牛がのんびり過ごす楽園だった
「日本最西端の地」、または「国境の島」とも呼ばれる沖縄県の与那国島。隣接する台湾との距離はわずか111kmで、年に数回、好天の日にその山並みが見えることもあるそうです。ちなみに沖縄本島との距離は510kmほど。確かに日本の最西端に位置するだけあって、沖縄本島より台湾の方が近いのも納得です。

横に細長い、ラグビーボールのような形をした与那国島。面積は28.96平方kmで、車をノンストップで走らせれば1時間ほどで一周できるくらいの小さな島です。島を一周するマラソン大会も毎年開催されています。

島内を移動していると、道路や牧草地を歩行している馬や牛の群れと頻繁に出くわします。人が近づいても恐れることはなく、悠然と草をはむ姿はのどかで癒されます。

この馬は、日本の在来馬(古くから日本にいる固有の馬)の一つである「与那国馬」。一般的な馬よりも小柄で穏やかな性格が特徴で、かつては農耕馬として米やサトウキビなどの荷物を運ぶ、心強いパートナーでした。

与那国島観光の楽しみは、なんといっても絶海の孤島ならではのダイナミックな景観を楽しむこと。海沿いの景色は迫力に満ち、圧倒されます。



雄大な景色はもちろん見事ですが、足元や道端を彩る花も目を楽しませてくれます。ハイビスカスの赤やブーゲンビリアのピンクといった鮮やかな色彩が、南国感を醸し出しています。


そして、与那国島の西の端、日本の最西端にあたる西崎(いりざき)に到着。果てしなく続く水平線の彼方には異国・台湾があり、気象条件が良ければ肉眼でその島影が確認できるというこの地。まさにここが日本の最西端の地だと痛感させられます。

カジキが揚がる漁港のそばに立つ、日本最西端の郵便局
島巡りの後、日本最西端の郵便局・久部良簡易郵便局を訪問し、局長の柿本さんにお話を伺いました。

久部良簡易郵便局 局長
柿本 太蔵(かきもと たいぞう)さん
2014年から局長を務める。趣味でサトウキビや長命草の栽培に取り組んでいる。

「与那国島の魅力は、やはり美しい海ではないでしょうか。私も子どものころから島の海に親しんでいて、特に郵便局の目の前にあるナーマ浜や久部良漁港は眺めが抜群でお気に入りです」(柿本さん)


「このあたりは昔から漁師町として栄えていて、久部良漁港も台湾との行き来でずいぶんにぎわっていたんですよ。いまも名物のカジキ漁は変わらず盛んですし、初夏にはハーリー(舟こぎ競争)が行われる海神祭で港は盛り上がります」(柿本さん)



郵便局の利用者層はシュノーケリングの道具などを郵送するダイバーや、漁の担い手として移住してきた若者など幅広いといいます。もちろん地元の方々も利用し、島の高齢者が何人か集まると"島言葉"での会話に花が咲くそうです。
また、日本最西端の郵便局ということで、観光客の来局も多いと柿本さんは話します。
「よく『ここが最西端の郵便局ですか』と尋ねられ、記念写真を撮ったり、記念スタンプを押したりする方がたくさんいます。わざわざ遠方から来ていただけるのは、本当にうれしいですね」(柿本さん)

最後に、久部良簡易郵便局がどんな存在でありたいかを柿本さんに聞いてみると、次のように答えてくれました。
「この島はもともと人と人との距離が近い地域ですが、郵便局も地域の人にとって身近な存在であり続けたいですね。何かあったときには『郵便局に頼ろう』と思ってもらえるとうれしいです」(柿本さん)

一般家庭の祭礼にも招待!? 深い交流を育む与那国島
さらに、与那国島にあるもう一つの郵便局・与那国郵便局を訪れ、局長の岸本さんにもお話を伺いました。島の中心地である祖納(そない)地域にあり、「風景印を持っている局」としては日本最西端です。

与那国郵便局 局長
岸本 謙(きしもと けん)さん
2024年から局長を務める。与那国島に赴任してからは釣りが趣味に。
※取材時の所属を記載しています。
岸本さんが与那国郵便局に着任した当初は、出身地である沖縄本島とも違った島の人間関係の濃密さに驚いたといいます。

「局長として、地域のさまざまな行事に呼ばれる機会があるのですが、一般のご家庭の祭礼に招いていただくこともあり最初は驚きました。例えば、沖縄には十六日祭という旧暦の1月16日に行われるお墓参りの行事があるのですが、そうした場にも参加したことがあります」(岸本さん)
このような人と人との距離感の近さもさることながら、与那国島の魅力として岸本さんが挙げたのは、柿本さんと同様に「海」でした。


「同じ海でも、1日として同じ表情がないんですよ。日によって穏やかだったり、白波が立っていたり......。毎日見ていると、その変化が感じられていいですね。島の東端からは西表島(いりおもてじま)が見えるのですが、そのシルエットも、青く見えたり、緑に見えたり、白のときもあったり、変化に富んだ海の姿に魅力を感じます」(岸本さん)



そして、人と人との交流を大事にしたい、とも岸本さんは語ります。
「この島のいいところは、お客さまとの何気ない会話が自然に生まれるところです。『最近、顔を見ないけどどうしたの?』『ちょっと入院してたさぁ』『そうなの? 心配してたよ』、そんなやり取りが日常的に交わされています。これからも、ふらっと立ち寄れるぐらいの身近な場所として、親しんでいただけたらうれしいですね」(岸本さん)

