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ヒューマンビートボックスとヨーデルの組み合わせ!? 唯一無二のコラボで世界を目指す|私のオンとオフ スイッチインタビュー

働き方 2026.7.16
ヒューマンビートボックスとヨーデルの組み合わせ!? 唯一無二のコラボで世界を目指す

INDEX

約24,000ある郵便局をはじめ、全国で働く約40万人の日本郵政グループの社員。この企画では、それぞれの立場で仕事に取り組む社員の姿勢と知られざるプライベートでの横顔、そんなオンとオフの両面で活躍する社員の魅力ある個性を掘り下げていきます。
今回お話を聞いたのは、宮崎県都城市の都城高木郵便局に勤務する堤田さん。窓口業務を担当する一方、口、のど、鼻などでドラムやベース音、メロディーなどを同時に再現し、音楽を創る「ヒューマンビートボクサー」としての顔を持っています。その活躍の様子と仕事との共通点、相乗効果などを伺いました。

堤田 聡(つつみだ さとし)さん

都城高木郵便局

堤田 聡(つつみだ さとし)さん

2022年、日本郵便株式会社入社。2025年1月から都城高木郵便局で勤務。ヒューマンビートボクサーとしてあめやのどスプレーの携帯、就寝中のマスク着用、加湿器使用など、のどケアを怠らない。また、肺活量を鍛えるため週2~3回、ジョギングから全力疾走するといったトレーニングも行っている。

お客さまに寄り添う姿勢で仕事に臨む

――郵便局に入社したきっかけを教えてください。

堤田:大学で地方創生を学び、地域を元気にする仕事に就きたいと考えていました。私は地元である宮崎県都城市が大好きなので、故郷に何らかの貢献をしたいと思い、大学卒業後も地元に戻ったんです。郵便局を志望した理由は、ほかのサービス業にはあまり見られない、お客さまとの距離感の近さに魅力を感じたからです。地域に密着している郵便局なら、より親身になってそれぞれのお客さまのご事情に寄り添い、お客さまのニーズに合った適切なサービスをご案内できるのではと考えました。

――地元が好きなんですね。宮崎県都城市はどのような地域ですか。

堤田:山に囲まれた盆地で、田園地帯が広がるのどかな場所です。「日本の滝100選」に選定されている「関之尾滝(せきのおのたき)」という名瀑(めいばく)もありますよ。そして、ご飯がおいしく、優しい人ばかりです。お客さまも含め穏やかな方が多いですね。

都城市のシンボル霧島山を背に広がる農村地。豊かな水と肥沃な土があり、多様な農作物が育まれている

――現在の仕事内容を教えてください。

堤田:郵便、貯金、保険など、すべての窓口業務に携わっています。

――普段、仕事で心がけていることを教えてください。

堤田:窓口でお客さまとお話しするときに、天気やニュースなど、ちょっとした日常会話を交わすことで、まずは私の顔を覚えていただき、お客さまに親しまれる存在になれるよう意識しています。そうすることでお客さまからの気軽に相談いただけるようになり、より適切なサービスをご案内できるようになる、と思っています。郵便局の窓口は扱う商品が多種多様で、必要とされる知識も多いのですが、それだけに、お客さまのニーズに合うご案内ができ、喜んでいただけたときはうれしいですね。

――特に心に残っているお客さまとのやりとりはありますか。

堤田:聴覚障害があり、筆談でやり取りをしているお客さまがいらっしゃるのですが、もっとスムーズにコミュニケーションを取ることができればお客さまの負担が減るのではないかと考えて、独学で簡単な手話を学びました。「少々お待ちください」、「荷物は2日後の午後に宛先に届きます」などと手話で語りかけたところ、とても喜んでいただけて。その後、来局されるたびに私をご指名くださって、ご相談をいただく機会が増えました。これからもお客さまに寄り添う気持ちを大切に仕事していきたいです。

敬老会や子ども向けイベントにも登壇。客席と一体に!

――「ヒューマンビートボクサー・Nishiki Goi」というアーティスト名で、九州エリアを中心にイベントやメディア出演など、パフォーマーとしても活動されていますね。始めたきっかけを教えてください。

堤田:小学5年生の時、クラスで「ヒューマンビートボックス」がブームになり、そこで私もハマりました。私は音楽の授業も歌うことも大好きな子どもだったので、自分の体一つで音楽を表現できてしまうヒューマンビートボックスにすっかり魅せられてしまったんです。まあ、生来の目立ちたがり屋であることも大きく影響しているのですが(笑)。高校の文化祭で披露したところ、ものすごく盛り上がりまして、その成功体験を原動力に今も続けています。

母校である小学校でパフォーマンスしたことも

――どのようにヒューマンビートボックスの技術を磨いたのですか。

堤田: 実は、独学なんです。"教師"は、世界中のヒューマンビートボクサーが投稿している膨大な縦型ショート動画や動画投稿サイトです。ヒューマンビートボックスは一部のパフォーマーを除いて基本的に楽譜を作ることはなく、動画サイトに自身のパフォーマンスをアップし続けることで、アーカイブが形作られています。なので、動画サイトが自分のネタ帳のようなものなのですが、投稿すると視聴者の反応がわかりますので、ウケがよい・悪いを参考にして、新たな創作に役立てています。毎日の新作投稿を目標に創作していて、これまでに250本以上をアップしています。

――普段の練習はどのようにされているんですか。

堤田:毎日帰宅後に必ず時間を確保して練習しています。お風呂に入っている時や、なんなら仕事中にもフレーズが突然ふっと頭に降ってくることがあって......、そういうときは休憩中にスマートフォンで録音して、帰宅してから音を作ることもあります。ちなみに初心者の方でも、ビートボックスらしいパフォーマンスはできるんですよ。「ブーツカット」という言葉を繰り返し強く叫ぶと、不思議とそれらしい雰囲気になるんです。カラオケボックスに行ったときに試してみてください(笑)。

――今度やってみます! ヒューマンビートボックスと「ヨーデル」を融合させた堤田さん独自のスタイルはどのように生まれましたか。

堤田:「ヨーデル」はヨーロッパのアルプス地方で生まれた、地声と裏声を高速かつ頻繁に切り替えて歌う伝統的歌唱法で、多くの人が聞けばそれとわかる音楽です。大学生のとき、偶然ヨーデルを歌う方の動画を視聴して、楽しい音楽だなと思ったんですね。さらにヒューマンビートボックスとヨーデルを組み合わせたら、観客といっしょに楽しむことを目指す私のパフォーマンスに合致するのではと思い、創作を始めました。このスタイルを伝える意味で、私のアーティスト名「Nishiki Goi」に愛称として「ヨーデルお兄さん」も加えています。

即興でヒューマンビートボックスを披露してくれた堤田さん

――「Nishiki Goi/ヨーデルお兄さん」の活動内容を教えてください。

堤田:地域の祭り・コンサート・敬老会・子ども向けイベントなど、宮崎県都城市を含む九州各地で、月に2~4回ほど出演しています。自分の持ち曲をパフォーマンスするほか、敬老会では演歌、子ども向けイベントではアニメの主題歌をベースにするなど、出演イベントによって選曲も変えています。動画サイトに投稿するのとは違い、お客さまと一体となって盛り上がるイベントの時間はこの上なく幸せで、私自身も楽しくパフォーマンスしています。

アカペラサークルのライブ「だごハモvol.3(2025年8月開催)」の一場面
秋まつり・敬老会にてパフォーマンスをおこなった

――観客の反応はいかがでしょうか。

堤田:ヒューマンビートボックスの楽しさを知って、笑顔になってくださったり、拍手をしてくださったりしています。パフォーマンスだけではなく開催地のご当地の話題も準備するなどMCにも力を入れると、どっと笑っていただけますね。盛り上がっている様子を見て、これが見たくてパフォーマンスしているんだなと改めて思います。郵便局でも、お客さまにこの前祭りで見たよ! すごいね! と声をかけていただくこともあって、地域の方とのつながりを感じてうれしくなります。

――会場は大盛り上がりなんですね! これまでの活動で特に印象深かったエピソードはありますか。

堤田:都城市観光大使(みやこんじょ大使)を務めているアカペラグループ「JARNZΩ(じゃ~んず)」さんとの共演です。中学生の時、私の通っていた学校でライブをされて、それを観て感激したのですが、まさかその十数年後に同じ舞台を踏めるとは......! と感無量でしたね。時を経て、地元で活躍するアーティストとして肩を並べることができて光栄でしたし、地元のために私も活動していきたいと思った大きなきっかけになりました。

JARNZΩとYOKARO-MON、Dance Dojoとのコラボライブにて

世界大会出場、郵便局長、地域への貢献。三つの夢を追い求める

――ヒューマンビートボクサーとしての目標を教えてください。

堤田:世界最高峰を決める国際大会「Grand Beatbox Battle(GBB)」への出場です。各国の予選には全世界で約1,000名が出場し、本大会には十数名しか出られない極めて狭き門です。2024年は最終予選まで進みましたが、本選に出場できるように頑張ります。そしてもう一つ、JARNZΩさんのように、地元の活性化のために活躍できるようなパフォーマーになり、観光大使になりたいという夢も持っています。これもいつかかなえたいですね。

――郵便局社員としての目標も教えてください。

堤田:郵便局長になることです。局長として、地域のお客さまの生活を支えられるような郵便局づくりに励んでいき、より身近な存在になりたいと考えています。

都城高木郵便局の皆さんと堤田さん(中央)

――郵便局の仕事とヒューマンビートボックスの活動に共通項はありますか。

堤田:はい、二つあると思っています。まずは笑顔です。郵便局ではのどを守る意味でマスクをしていることが多いのですが、目だけでも笑っていることがわかってお客さまに安心していただけるように、意識的に笑顔でいるように心がけています。一方で、私のパフォーマンススタイルである「観客との距離を狭めて、いっしょにビートボックスを楽しむ」ことにも笑顔は必要不可欠です。実は入社する前にヒューマンビートボックスを披露するときは、舞台袖で半ば無理やり笑顔をつくってから客席の前に出ていっていましたが、入社してからは、舞台上でも自然に笑顔が出るようになりました。

――もう一つの共通項は何でしょうか。

堤田:どちらも私にとって、強く「好き」と思える対象であることです。窓口業務では地域のお客さまに寄り添い、貢献できることが好きですし、ライブでは、毎回味わえる観客の皆さんとの一体感が好きです。これからも「好き」と思える気持ちを大切に、また地域創生の思いを軸に、それぞれの目標に向かって努力していきたいです。

オン・オフ両立の極意

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