みんなの応援を力に! 社員の横顔は、世界一のやり投選手│私のオンとオフ スイッチインタビュー
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約24,000ある郵便局をはじめ、全国で働く約40万人の日本郵政グループの社員。この企画では、それぞれの立場で仕事に取り組む社員の姿勢と知られざるプライベートでの横顔、そんなオンとオフの両面で活躍する社員の魅力ある個性を掘り下げていきます。
今回登場いただくのは、東京都の芝郵便局に勤務し、パラ陸上競技のやり投選手としても活躍中の亀山さん。やり投を始めたきっかけや魅力、仕事との両立方法などを伺いました。
芝郵便局 チャレンジドルーム
亀山 海(かめやま かい)さん
2015年4月、日本郵便株式会社に入社。2021年2月より現職。東京都江戸川区の知的障害者余暇支援団体「チームはやぶさ」に所属する、パラ陸上競技 Virtus(知的障害)II-2(ダウン症クラス)のやり投(600g)世界記録保持者(※)。世界一の投てきを支えるパワーの源は、好物のお肉と、ボクシングやダンスも採り入れた日々の厳しいトレーニング。アイドルグループももいろクローバーZの大ファンで、日本郵政グループとのコラボプロジェクトのコンテンツ「MEKIMEKI体操」でメンバーといっしょに体を動かすのが夢。
※2026年2月現在。
「4つの約束」を守りながら、郵便局をきれいに
――亀山さんの普段の仕事内容を教えてください。
亀山:芝郵便局内の清掃です。2人の指導コーチのもとで、私を含めて4人のスタッフが、床のモップがけや壁の雑巾がけをしています。台車が通った跡などもきれいにしています。
――仕事中、どんなことを心がけていますか。
亀山:お客さまがいる場所では、お客さまの動線を塞がないように注意しながら掃除しています。それと、できるだけたくさん挨拶をするように意識しています。
――亀山さんの仕事ぶりについて、芝郵便局 総務部の渡邉 裕司(わたなべ ゆうじ)さん、補足をお願いできますか。
渡邉:芝郵便局のチャレンジドルームには「1.安全な作業をします」「2.キビキビとした行動をします」「3.ていねいにきれいにします」「4.ルールと約束を守ります」という4つの約束があり、スタッフは日々この約束をテーマに仕事に取り組んでいます。亀山さんは4項目すべてがクリアできている日が多いんですよ。
亀山:チャレンジドルームの指導コーチに、その週の仕事の内容を連絡帳に書いてもらい、それを自宅に持って帰って母に見せます。「よくできている」と書かれていると、母も喜んでくれますね。
世界一の原点は、大リーグ投手も練習に導入している「ジャベリックスロー」
――2025年10月にオーストラリアで行われた「2025Virtus世界陸上競技選手権大会」での世界新記録30m23(※)、おめでとうございます! 自身の記録をさらに伸ばしたんですよね。
亀山:ありがとうございます! 自分が持っていたこれまでの世界記録(30.02m)よりも遠くに投げられて、うれしかったです。いっしょにオーストラリアに行った家族もガッツポーズをして喜んでくれました。郵便局でもチャレンジドルームの指導コーチや仲間たちから、「世界一すごいね!」「おめでとう!」と言ってもらったり、局内に写真を飾ってもらったりしました。あと、江戸川区の区長さんに金メダルを見せたらとても喜んでくれました。
※亀山さんは2025年11月に開催された「NAGASEカップ2025」で30m33を記録し、さらに世界記録を更新しました。
――やり投を始める前は、高校時代から「ジャベリックスロー(※)」に取り組んでいたと聞きました。ジャベリックスローといえば、大リーグで活躍する日本人投手もトレーニングに採り入れているようですが、始めたきっかけは何だったのですか。
※ターボジャブを投げた距離を競う競技。小中学生の陸上競技大会ではやり投に代わる種目となっている。
亀山:母からのすすめです。中学時代に走り込みで下半身を強化していたので、すぐに長い距離を投げることができました。どんどん遠くに投げられるようになってくると楽しくて、ジャベリックスローは10年以上続けました。そして3年ほど前に、「やり投なら世界大会を狙える」と誘われて、やり投をするようになりました。
――普段はどんな練習やトレーニングをしていますか。
亀山:土日に河川敷や陸上競技場で、安全面に配慮した練習用のやりを投げて練習しています。母にフォームを撮影してもらって、それをやり投のコーチに送ってアドバイスをもらうこともあります。大切なのは、助走の勢いをつけること、投げる角度を高くしたり、低くしたりして調整すること、投げ始めから投げ終わりの間の体重移動です。
それと、中学のころからボクシングを続けていて、バーベルを使った筋トレなどをしています。あと、ソーラン節も踊っているんですが、綱引きの動きが体幹強化につながっていると思います。
――食事にも気をつけていますか。
亀山:焼肉やハンバーグなどのお肉料理が好きなんですが、大会前は控えて、ジュースや炭酸飲料もやめて体を絞ります。オーストラリア大会では日本から食材を持ち込んで、妹に料理してもらいました。
仕事で積み重ねた信頼を力にして、もっと遠くへ投げる!
――オンとオフはどんなふうに気持ちを切り替えて取り組んでいますか。
亀山:仕事が終わった後、毎日、銀座郵便局で働くチャレンジドの友だちと電話するんですが、それがいい切り替えになっています。いろいろしゃべると仕事のことを忘れられて、「家に帰ってから練習を頑張ろう」と思えるようになります。
渡邉:亀山さんはコミュニケーション力に長けていますし、リーダーシップがあるので大きな信頼を寄せられています。そんな亀山さんだからこそ、大会で仕事を休むときも快く送り出してもらえていますし、世界一という結果も出してくれているので、局内外から称賛の声が多く寄せられています。芝郵便局を背負って立つ彼を、これからも力強くバックアップしていきたいと考えています。
――これからの目標は何ですか。
亀山:仕事では、これからも4つの約束を守って、集中して続けること。やり投は、2026年11月のVirtusアジア・オセアニア競技大会に出場して、世界記録を更新したうえで金メダルを取ることです。仕事でもやり投でも、みんなに喜んでもらえるように頑張ります。次は32m投げたい。自信はあります!
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