エモい郵便局図鑑 No.0006 住吉帝塚山郵便局(大阪府)

郵便局のノスタルジックな魅力に取りつかれたフォトグラファー・ライターが日本各地の「エモい郵便局」を紹介していく企画「エモい郵便局図鑑」。今回は大阪府にある住吉帝塚山郵便局を紹介します。

■場所
新旧入り混じる様々な様相の路面電車が走る街の大通り沿い
(大阪府大阪市住吉区帝塚山東2丁目3−10)

■開局
1959年(1991年1月に移転し、開局)

■概要
街の景観に合わせた、レンガで覆われたレトロモダンな外観。局舎内の床材や窓枠、案内板には木が使用され、内装からも温もりが感じられる。

■歴史
1991年1月に移転開局した際に、現在のレトロな外観に施工された。その特徴的な様相は地域でも注目され、最近では地域とコラボレーションしたフレーム切手にデザインされている。

■名物
局舎の目の前を走る路面電車と、その街並みに合うレトロモダンな外観は鉄道好きからの人気も高く、撮影スポットとして足を運ばれる方も多い。

■交通アクセス
天王寺駅前駅から阪堺電気軌道上町線に乗り、10分程度の「帝塚山三丁目」駅が最寄り。

路面電車が現役で走り続ける街、大阪市住吉区。ガッタン...ゴットン...と、普段乗り慣れている電車よりも少しゆったりとしたペースで、路面電車がレールを進む音が響く。街を歩く人や走る車のすぐ近くに線路が敷かれ、そこに暮らす人々の生活に欠かせない大切な足として、今も稼働している。

そんな路面電車の線路沿いにある、赤レンガ造りの建物が、今回紹介する住吉帝塚山郵便局だ。

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一歩足を踏み入れると、ノスタルジーを感じさせる内装が広がる。床材や窓枠、案内板、受付の台や天井の一部にも木材が使用され、建物全体から木の温もりが感じられる。

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人々を魅了するのは局舎の装いだけではない。入口右手に配置された、クラシカルな様式美を感じさせる丸型ポストも住吉帝塚山郵便局の名物だ。(現在、この丸型ポストは取り集めを行っていないため、投かんなどは入り口左手のポストを利用)

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最寄り駅は、路面電車の阪堺電気軌道上町線「帝塚山三丁目」駅だが、実は郵便局を跨いで天王寺駅前側にある、同じく阪堺電気軌道上町線の「姫松」駅の駅舎もレトロで、この一帯の雰囲気を象徴する駅として愛されている。

姫松駅

赤レンガの外観、木の温もりを感じる内装、近くの駅から丸型ポストまで、郵便局を取り巻くさまざまな要素がレトロでかわいい。そこに注目した住吉区からの声かけもあり、過去には住吉区をPRする映像に住吉帝塚山郵便局が取り上げられたこともあるそう。

2022年6月には、オリジナル フレーム切手「阪堺電車と郵便局のある風景」が発売。住吉区として、オリジナル フレーム切手の中に郵便局と電車が一緒に写るのは住吉帝塚山郵便局が初めてだった、と話すのは、2010年に住吉帝塚山郵便局の局長に着任した博田 信行(はかた のぶゆき)さんだ。

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「阪堺電車とのフレーム切手を販売したことから、鉄道好きの方もよく当局へ足を運ばれるようになりました。フレーム切手はインターネットで購入することもできますが、フレーム切手に写る色とりどりの電車を自分も撮りたいという方も多いのだと思います。切手と同じ構図で撮れる場所が撮影スポットになっているので、綺麗な写真を撮っていただけるように局舎前の清掃は日課になっています。また、そういったお客さまから局舎を褒めていただけることもよくあり、うれしく思っています。」

最後に、博田局長に地域への想いについて聞いてみた。

「仕事も落ち着いた高齢者の方も多く住んでいらっしゃるため、郵便局をご利用いただく際にはお声掛けやさまざまなお手伝いができればと思っています。また、この地域や皆さまに、いつも寄り添い、信頼される郵便局でありたいと思います。」

路面電車が走る音とともに、住吉帝塚山郵便局はこれからもその歴史を刻んでいくだろう。

住吉手塚山郵便局 局長
博田 信行さん
2010年に住吉帝塚山郵便局 局長として着任。

※撮影時のみマスクを外しています

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