Instagram

人の心を動かす一通を届ける。「全日本DM大賞」が見つめるDMの可能性

お客さま 2026.8.25
人の心を動かす一通を届ける。「全日本DM大賞」が見つめるDMの可能性

INDEX

日本郵便株式会社が主催する「全日本DM大賞」(以下、本アワード)は、実際に発送されたダイレクトメール(以下、DM)を対象にしたアワードです。1987年の創設以来、DMならではの表現力やマーケティング効果を広く発信し続け、今年で41回目を迎えました。デジタル化が進むなかでも、企業とお客さまをリアルにつなぐコミュニケーション手段として進化を続けるDM。今回は本アワードを担当する社員に、コンテストに込めた想いや印象に残った受賞作品、応募のコツなどについて聞きました。

小峰 悟(こみね さとる)さん

日本郵便株式会社 郵便・物流事業統括部

小峰 悟(こみね さとる)さん

2004年入社。郵便局窓口での勤務、2011年から物販ビジネス部、郵便・物流営業部での勤務を経て、2023年から現職。趣味は釣りで、毎週末は海釣りへ行く。

宮崎 巧(みやざき たくみ)さん

日本郵便株式会社 郵便・物流事業統括部

宮崎 巧(みやざき たくみ)さん

2023年入社。郵便局、四国支社での勤務を経て、2025年から現職。趣味は映画鑑賞で、なかでもインドの映画がマイブーム。

DMの価値を広めたいという想いで始まった「全日本DM大賞」

――はじめに、全日本DM大賞の概要を教えてください。

宮崎:企業や団体などが実際に発送したDMを全国から募り、優れた作品を表彰するアワードです。質の高いDMや成功事例を広く紹介することで、DM業界全体の発展とDMの活用促進を目指しています。

2025年に開催した第40回全日本DM大賞の授賞式にて

――企画したきっかけを教えてください。

小峰:DMは個人や企業へ直接届ける「閉じた広告」です。テレビCMや新聞広告のように多くの人の目に触れる機会が少ないため、緻密な戦略に基づいて制作された優れたDMであっても、その価値が広く知られないまま埋もれてしまうことがあります。そこで、広告メディアとしてのDMの役割や効果を社会に発信するとともに、企画・制作に携わった優秀なクリエイターたちに評価の場を提供したいという想いのもと、1987年にスタートしたのが「全日本DM大賞」です。

――審査方法を教えてください。

小峰:「戦略性」「クリエイティブ」「実施効果」の3つの観点から審査しています。見た目や出来栄えだけではなく、「なぜこのDMを制作したのか」「どのような成果を目指したのか」といった企画の意図まで含めて評価します。最近では、マーケティングやコミュニケーション施策全体の一部としてDMを使用するケースも増えており、WebサイトやSNSなどのデジタル施策含め他の施策との連携も重要な評価ポイントになっています。

宮崎:審査会では審査員の皆さまが真剣に応募作品に向き合い、審査をしています。各賞の決定までにほぼ一日を使い、作品ごとにスコアリングを行い、熱のこもった協議を経て各賞が決定します。

小峰:私も二次審査員を務めた経験がありますが、おのずと熱が入ります。エントリーシートから伝わる想いに圧倒されますし、創意工夫にあふれた作品に胸を打たれます。

アイディアと戦略が光る、注目の受賞作品を紹介!

――昨年開催された「第40回 全日本DM大賞」のなかで、特に印象に残った作品を教えてください。

小峰:金賞グランプリに輝いた「広告主:アシックス商事、制作者:富士フイルムビジネスイノベーションジャパン、フュージョン」のDMが印象的でした。ほぼ実寸大の商品画像を紙に印刷し、足入れ部分の点線をカットすることで実際に試着できるデザインになっています。私もつい足を入れてしまいました(笑)。思わず試してみたくなるような体験設計が見事で、DMだからこそ実現できる体験価値を体現した作品だと感じました。

足入れ部分の点線に沿ってカットすることで足を入れて試着できる

宮崎:金賞【インビテーション部門】の「広告主・制作者:アツモリ」の年賀状DMは、ユニークな発想に驚かされました。縁起物の白蛇を使い、巳年ならではの一皮むけるデザインとしかけを取り入れた作品で、受け取った人がヘビのパーツを簡単に剥がせるようになっています。DMの設計に手を使う体験が上手に組み込まれており、紙ならではの強みを活かしたクリエイティブだと感心しました。

ヘビを剥がすと裏に回文のメッセージが!

小峰:銀賞【インビテーション部門】の「広告主:グーグル・クラウド・ジャパン、制作者:グーグル・クラウド・ジャパン、イムラ」は、イベントの招待状をメールではなく、あえて物理的なDMで制作していました。上質なデザインと高級感あふれるクオリティで、忙しい方でも手に取りたくなるような工夫に感銘を受けました。受け取った方がステータスとして感じていただけそうな、ワクワクする仕上がりですよね。

特別な旅の始まりを感じられるよう、パスポートを模したデザイン。重量感もある

――過去40回を通じて、応募作品の傾向に変化はありましたか。

小峰:以前は立体的な形状のものも数多くありましたが、ここ数年はコンパクトでシンプルな作品が増えてきた印象です。背景には、紙代や印刷代などのコスト上昇が続いていることもあるのかもしれません。ただ、制約があるなかでも触ったときの感触を変えたり、少しだけ形や厚みを変えたりして、印象に残る工夫を施す作品が増えていると感じています。

宮崎:見た目の工夫だけではなく、目に見えない部分に力を入れている作品も着実に多くなっています。例えば、DM発送前のデータ分析やターゲティング、AI活用です。限られたコストを有効活用するために、メリハリをつけた制作をしている印象です。また、DM単体ではなくECサイトやメールマガジンなどと連携し、マーケティング全体の設計にDMを組み込む発想も広がっています。

広告主・制作者・DM業界の「三方よし」を目指して

――本アワードは、DMに携わる方々にとってどのような場になればよいと考えていますか。

宮崎:DM作成に携わる方から、なかなか他社の担当者とのつながりを持つ機会が少ないという声を聞くことがあります。本アワードが優れた事例を知るだけではなく、横のつながりを増やして刺激を受け合う場にもなればうれしいですね。作品に携わるクリエイターの方々にとって、受賞作品は優れたDMの具体例であり、創作のヒントともなるのではないかと思います。DMの可能性を感じる企業が増えれば、新しい挑戦も生まれ、その積み重ねが本アワードひいてはDM業界の活性化につながる――そうした好循環を広げていくことも私たちの大切な役割だと考えています。


――第41回の開催に向けて、新たに力を入れていることはありますか。

小峰:今回から新たに、「DMグロース賞」を新設しました。この賞は、直近3年間応募歴がない広告主と制作者による作品を対象としており、初めて応募する企業や、久々にDM施策に取り組む企業などにも受賞のチャンスを広げたいという想いを込めています。これまで応募を迷われていた方にもぜひ一歩踏み出していただきたいですね。ぜひ奮ってご応募ください!

――参加企業の皆さんに向けて、応募のコツなどのアドバイスはありますか。

宮崎:作品そのものはもちろんですが、エントリーシートも非常に重要です。見た目では伝わらないようなターゲティングの分析方法や戦略、狙いなど、エントリーシートに想いを込めて書いていただきたいです。ホームページにもポイント解説を掲載していますので、そちらもぜひ参考にしてください。

――今後、「全日本DM大賞」ならびにDM業界をどのように発展させていきたいですか。

宮崎:デジタル広告の領域が年々拡大する時代だからこそ、手に取る、開く、触れるといったリアルな体験価値を提供できることがDMの強みです。さらにデジタルと組み合わせることで、より強い相乗効果を発揮できる広告媒体でもあります。マーケティング戦略のなかでDMをどのように効果的に使うか、本アワードを通じて発信し、DM業界をいっそう盛り上げていきたいです。

小峰:DMは、届けたい人の手元にリアルに届き、五感に訴えかけることができる、ほかにはない広告媒体です。本アワードを通じてDMの強み、可能性を発信することで、DMの普及拡大に貢献していきたいです。

第41回 全日本DM大賞の詳細はこちら(応募受付:11月2日まで必着)

JP CASTのアラカルト 連載記事一覧はこちら