私のオンとオフ スイッチインタビュー バスケットボール3x3で目指す世界の頂
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約24,000ある郵便局をはじめ、全国で働く約40万人の日本郵政グループの社員。この企画では、それぞれの立場で仕事に取り組む社員の姿勢と知られざるプライベートでの横顔、そんなオンとオフの両面で活躍する社員の魅力ある個性を掘り下げていきます。
今回、お話を聞いたのは、小川町駅前郵便局に勤務する野口さん。郵便窓口の業務に従事しながら、3人制バスケットボール(3x3:スリー・エックス・スリー、以下3x3)の選手として活躍し、日本代表選手にも選出されています。そんな野口さんに両立の極意を伺いました。
小川町駅前郵便局
野口 佑季(のぐち ゆうき)さん
2019年入社。2021年から小川町駅前郵便局で郵便窓口業務を担当している。
バスケ同様、仕事でもチームプレーが大事
――郵便局ではどのような業務を行っていますか。
野口:郵便窓口業務を担当しています。
――仕事のやりがいを教えてください。
野口:郵便局には、郵便を送ることに慣れていないお客さまもいらっしゃいます。そんなときに、お客さまのご要望をお聞きして、できるだけリーズナブルな郵便の送り方をご提案すると、「こんな送り方があるんだ」、「親切にありがとう」と喜んでいただけます。その感謝の言葉が、私にとって大きなやりがいにつながっています。
――仕事で意識をしていることはありますか。
野口:チームプレーを大事にしています。例えば、お客さまの荷物を受け付けた際に、取扱注意シールは手が空いている人が貼るとか、書留の控えを書いている間に別の人が会計を進めるとか、よりスピーディーに、かつ丁寧にお客さまに応対できるよう、局内で声をかけ合って仕事をしています。私だけではなく、職場全体で同じようにチームプレーを心がけているので、全員が助け合って仕事をしています。お客さまから「すごい連携ですね!」とお褒めいただいたこともありました(笑)。
監督がいない!? 試合は10分間だけ!? 知られざる3x3の世界
――バスケットボールを始めたきっかけは何ですか。
野口:父が社会人バスケをしていて、その姿を見ているうちに、自然と自分もバスケをするようになりました。小学生のときにミニバス(主に小学生を対象にしたバスケットボール競技)から始め、中学・高校・大学は部活動で、社会人になってからはプロ・アマ問わず、さまざまなチームに所属しています。
――3x3を始めたのはいつからですか。
野口:社会人1年目からです。きっかけは、3x3をプレーする友人に「人数が足りないから来てほしい」と試合に誘われたことです。最初は、3x3という競技自体をよく知らなかったのですが、何度か参加するうちに少しずつその魅力にハマり......。いつからか「しっかり練習して勝てるようになりたい」と思うようになって、2023年には自分でチーム「TEAM HUSTLE(チームハッスル)」を立ち上げました。
――一般的な5人制のバスケットボールとどのような違いがありますか。
野口:試合に出る人数が違うのはもちろん、コートの大きさが5人制の半分で、ゴールも1つしかありません。また、5人制は10分4クオーター制で、得点制限がありませんが、3x3は試合時間が短く、10分1本勝負で、どちらかが先に21点を取ったら試合終了です。ボールがコートの外に出ない限りタイマーは止まらず、ずっとプレーが続くので流れがとても速いです。見ている方は飽きないと思いますが、やっている側はきついですね、本当に(笑)。
――3x3の魅力は何ですか。
野口:試合中、監督やコーチがコートの外から選手に指示を出すことができないというルールがあります。そのため選手たちは、コートに立つ3人と控え1人の計4人で話し合いながら、10分間の試合を組み立てていきます。この戦略性がすごく面白いと思います。
「やっぱりいっしょにバスケがしたい」と集まった仲間で優勝を獲得
――現在の活動について教えてください。
野口:「TOKYO VERDY.EXE(トウキョウ ヴェルディ エグゼ)」というプロチームに所属しています。週末は公式戦や練習試合に参加し、全国各地に遠征することもあります。
――日々のトレーニングはどのように行っていますか。
野口:チームの公式練習が週1回・平日にあるほか、毎日、仕事終わりにバスケットコートのある近所の体育館で、その場に集まったいろいろな人と練習をしています。顔ぶれが毎日変わり、プレースタイルも異なるため、バスケに対する考え方を学べる貴重な機会になっています。
――今までで一番印象深い大会は何ですか。
野口:2025年の第10回3x3日本選手権ですね。2023年の第8回大会では、「TEAM HUSTLE」で浅羽 麻子(あさば あさこ)選手や大橋 実奈(おおはし みな)選手たちとともに決勝まで進みましたが、逆転負けで準優勝という悔いが残る結果となり、TEAM HUSTLEも解散となりました。
その後、浅羽選手と大橋選手は「boldiiies(ボールディーズ)」というチームに加入したのですが、「やっぱりいっしょにバスケがしたい」と、私をboldiiiesに誘ってくれたんです。boldiiiesの一員として再び日本選手権に挑戦し、念願の優勝を果たすことができたのが、2025年の日本選手権なんです。
――ドラマチックな展開ですね!
野口:浅羽選手と大橋選手は、私よりキャリアが長く、「何かを犠牲にしてもバスケットボールがしたい」というくらい、バスケ愛の強い方々です。そんなお二人を尊敬し、「いっしょにプレーしたい!」という思いが私にもずっとあったので、boldiiiesに誘っていただき、再びともにプレーできたことは本当にうれしかったです。
――野口さんは、2025年に開催された「FIBA 3x3 アジアカップ2025」の日本代表にも選出され、日本女子チームで過去最高位の銀メダルを獲得されました。このときのお気持ちを教えてください。
野口:まさか私が選ばれるとは思っていなかったので、とても驚きました。同時に、学生時代も成績を残せずほとんど無名の私がここまで来られたことが、とても感慨深かったです。
バスケで培った「俯瞰する力」を郵便局でも発揮
――郵便局の仕事と3x3の活動の両立で、お互いにどのような相乗効果がありますか。
野口:例えば、郵便局の窓口でお客さまにサービスを提案する際、郵便に詳しくない方でも理解できるよう、わかりやすい説明を心がけています。一方で、3x3も10分間という短い時間のなかで、チームメートと素早く確実に意思疎通を図りながら試合を組み立てる必要があります。そのため、「相手にわかりやすく説明する」という窓口業務の経験がとても役立っています。
――3x3の経験が、郵便局の仕事に活かされていることはありますか。
野口:私のプレースタイルは、状況に応じて攻守を切り替えるバランス型です。これには俯瞰(ふかん)的に状況を判断する能力が必要で、大学時代、ケガでほとんど試合に出られず、コートの外から見ていた経験で身に付きました。私にとって大きな挫折でもありましたが、ここで培ったスキルのおかげで、仕事でも「今、何を求められているか」を素早く察知し、サポートに回ることができていると思います。
――今後、仕事とバスケの両立に、どのように取り組んでいきたいですか。
野口:仕事も3x3も、どちらも心から楽しんで両立していければと思います。つらいときや壁にぶつかったときでも、「楽しむ」気持ちを大切にすれば、きっと乗り越えられます。また、仲間と苦労を分かち合うことで、つらさも和らぎ、前向きな気持ちにもなれます。だから、仕事もバスケも仲間を大切にしたいです。
――今後の目標は何ですか。
野口:頼られる人になりたいと思います。職場の同僚に対しても、チームメートに対しても、悩みを打ち明けやすい環境をつくっていきたいですね。そうすればより楽しい職場づくり、より楽しいバスケにつなげられるのではないかと思っています。
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