街とつながるJP百景 Vol.10 暮らしに寄り添い、魅力あふれる郵便局へ！ イオンモール内の「NEO郵便局」をレポート
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日本全国に約24,000ある郵便局。それぞれの郵便局の景色は、その街で働く人、暮らす人とのつながりによって作られています。本企画では、地域と協力しながら、ユニークな取り組みをして独特の景色を作りだしている郵便局をピックアップ。
第10回は、宮城県仙台市に誕生した新業態の「イオンモール仙台上杉内郵便局」にフォーカス。開局間もない郵便局の様子をレポートするとともに、開局に携わった担当者に想いを伺いました。
日本郵便株式会社 郵便・物流事業統括部 課長
松村 彩（まつむら あや）さん
2010年、郵便事業株式会社（当時）に入社。これまでに、日本郵便の物流ソリューションサービス及び物流ソリューションセンターの立ち上げやJP楽天ロジスティクス株式会社の倉庫業務改善に関するプロジェクトに携わる。2022年10月より現職。イオンモール仙台上杉内郵便局ではプロジェクトリーダーを務める。仙台のおすすめはスイーツ（実はずんだ以外にもおいしい焼き菓子が...！）と立派なイチョウ並木。
日本郵便株式会社 郵便・物流事業統括部 係長
宮原 悠多（みやはら ゆうた）さん
2016年、イオンモール株式会社に入社。イオングループで小売や不動産の業務を経て、日本郵便との人材交流として出向し、2023年4月より現職。「ぽすちょこ便」やイオンモール仙台上杉内郵便局の立ち上げに携わる。仙台のおすすめは街と自然が程よい距離で隣接し、1時間圏内で街も海も山も楽しめるところ。
イオンモール仙台上杉内郵便局 局長
山口 良之（やまぐち よしゆき）さん
1997年、郵政省（当時）に入省。宮城県内の郵便局での勤務を経て、2025年10月より現職。趣味は海外サッカーやボクシングなどのスポーツ観戦。サッカー選手から名付けた、シャビとイブという2匹の猫を飼っている。
『あたらしい街ナカぐらし』に寄り添う郵便局を目指して
「あ、郵便局があるよ」、「ぽすくまといっしょに写真を撮りたい！」、「え、ここでジュースが飲めるの？」──。
新しい郵便局の前を通る人たちからは、こんな言葉が聞こえてきます。ここは、2025年10月にオープンした「イオンモール仙台上杉」館内。以前は300mほど離れたところにあった仙台上杉六郵便局が移転・改称され、イオンモール仙台上杉内郵便局として生まれ変わりました。
入口では、ぽすくまの壁面装飾がお出迎え。フルーツの色味を取り入れたスツールが並び、ジューススタンドや「切手プリ」が設置されています。
新しい試みが詰まった郵便局とあって、前身の仙台上杉六郵便局から局長を務める山口さんも開局を心待ちにしていました。
「これまでにない郵便局ですし、イオンモールの中にあるということで、いろいろなお客さまが足を運んでくださるだろうなとワクワクしていました。開局してからは、お客さまから『買い物のついでに郵便局に立ち寄れて便利だね』と喜んでいただけています」（山口さん）
「イオンモール仙台上杉は『あたらしい街ナカぐらし』をコンセプトに、新たな挑戦をしているイオンモールです。イオンモールはこれまで郊外への出店が中心だったのですが、ここは最寄り駅から徒歩7分という立地。若い親子世代や働く単身者などがたくさん暮らすエリアで、郵便局といっしょにお客さまへ新しい価値を提供できると考えています」（宮原さん）
「普段あまり郵便局を利用されない方やATMを利用する程度といった方に対して、ジューススタンドや切手プリなどが足を運んでもらうきっかけになればと考えています」（松村さん）
"果樹農家"とタッグを組んだ「ポスフルスタンド」
新しい試みとしてイオンモール仙台上杉内郵便局に設置されたのが、フルーツジュースが楽しめる「ポスフルスタンド」です。運営しているのは、栃木県宇都宮市にある阿部梨園（株式会社ABE HOLIC）。"果樹農家"が営むのが特徴であり魅力です。
「農家から直送した新鮮な果物をそのままスムージーなどのドリンクにしているのが大きな強みです」（宮原さん）
郵便局内にジューススタンドを常設するというチャレンジングな試みだからこそ、オープンに至るまでには大変なこともありました。
「阿部梨園も私たちも、飲食店を立ち上げるのは初めてのことで、安心安全な飲食提供に必要な工程や許可取りなど、新しい経験の連続でした。一方で、衛生面については、これまでのイオングループでの経験を活かせました」（宮原さん）
「今後は、阿部梨園の果物以外にも、郵便局のカタログで取り扱っている農家さんの果物なども使わせていただくことで、『試してから注文する』ことも可能になります。郵便局が全国のおいしい果物を発見する場になれたらおもしろいなと思っています」（松村さん）
ポスフルスタンドのスペースにはベンチとミニテーブルがあり、ゆっくりジュースを味わうことができます。
「お客さまが、お手続きのちょっとした待ち時間などにジュースを楽しんでもらえたら、そして、『こんなおいしい果物があるんだ！』と知っていただけたら、うれしいですね」（松村さん）
世界に一つだけのオリジナル切手が作れる「切手プリ」
もう一つ、注目を集めている試みが「切手プリ」の常設です。
「イオンモールでしか体験できないものをと思い、オリジナル切手がその場で作れる切手プリを設置しました。これまで、イベントでは設置していましたが、郵便局に常設するのはここが初めてです」（宮原さん）
オリジナル切手のフレームは、ぽすくまと仙台の名所や偉人などをちりばめたデザイン。思い出作りとしてはもちろん、遠方に住む家族や友人への発送用切手としても活用できます。
「今後、クリスマスフレームを追加するなど、季節やイベントに合わせたフレームを追加していくことを検討しています」（松村さん）
新たな役割を担いながら、立ち寄りたくなる郵便局に
今後に向けて「郵便局のシンボルとして、ぽすくまをもっとアピールしていきたい」と話すのは、局長の山口さん。
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「局内の装飾を工夫したり、取り扱うぽすくまグッズを増やしたりして盛り上げていきたいと思います。そして、ポスフルスタンドや切手プリを利用しているお客さまに、郵便局からのお知らせを声かけするなど、相乗効果が生まれるように積極的にご案内していきたいです」（山口さん）
「インフラとしての郵便局の役割にプラスして、来ていただいたお客さまに、オリジナル切手作りなど、新しいことに触れてもらえる場になればと思います」（宮原さん）
郵便物を出したり、ATMを利用したり、ジュースを飲みながらほっと一息ついたり。イオンモール仙台上杉内郵便局には、思い思いに過ごすお客さまの姿があります。
「最初は、郵便局の中にジューススタンドがあるなんて珍しいなと思って。梨のすっきりとした甘さがおいしくて、娘もここのスムージーが大好きです」とリピーターのお客さまは話します。
「郵便局は目的があって足を運ぶところという印象ですが、これからは目的がない方も『ちょっと立ち寄ってみよう』と思ってもらえるような場所に育てていきたいです」（山口さん）
新しい魅力を詰め込んで、歩み始めたイオンモール仙台上杉内郵便局。その可能性にますます期待が高まります。
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