【前編】日本郵政グループ女子陸上部の夏合宿に密着! 実業団トップチームのトレーニングとは?
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日本郵政グループ女子陸上部・POSTIES(ポスティーズ)は、秋以降の大会シーズンに向けて、毎年夏に北海道で合宿を行っています。チームはどのようなトレーニングを積んで、11月のクイーンズ駅伝や以降のレースに臨むのでしょうか。40日にわたる合宿のうち2日間に密着した、現地レポートをお届けします。
40日にわたる北海道合宿では、「距離を踏む」
POSTIES恒例の夏の北海道合宿は、網走から始まり、コースの種類が豊富な士別、そして最後は千歳と、道内を転々とし、気候やコース特性に合わせたメニューを組み立てながら40日にわたって行われます。
秋以降の駅伝・マラソンシーズンに向けて、夏はトレーニング強度を積む重要な時期。「土台となる持久力とスタミナをつけるため、長い距離を走ることを重視しています」と、齋藤 由貴(さいとう ゆき)ヘッドコーチは話します。
北海道合宿の魅力は、多彩な長距離コースが整備されているところです。練習拠点を置いている東京では長距離を走るコースがなかなか確保できませんが、今回取材した士別市は、町全体でアスリートの合宿をサポート。全天候型の陸上競技場や10km以上続く舗装されたロードコース、自然豊かで起伏のあるクロスカントリーコースなど、選手たちはさまざまなコースを走り込むことができるため、駅伝・マラソンシーズンに向けてトレーニングを積むのには理想的な環境です。
「基礎づくり」も重要なトレーニングの一つ
この日は午後から陸上競技場に集合し、ランニングドリルとジョグでコンディションを調整。
ランニングドリルとは走るにあたっての基本的な体の動作を確認・強化するトレーニングで、いわば"基礎づくり"。人は無意識にクセが出てくるので、それを改善し、より効率的なフォームを身に付けることが目的です。選手たちは手足の動きを一つ一つ確認し"基礎づくり"に励みます。
翌日に強度の高いトレーニングが予定されているため、この日のジョグは50~70分程度。軽く息が上がる程度のペースで走り、各自コンディションを整えます。
いざ、ロードへ!朝練習で14kmを走り込む
この日は朝6時に集合し、14kmのロード走を集団で行います。早朝は曇り空でしたが次第に小雨が降り始めました。選手たちは路面の状態を確かめながら、ペースに応じたグループに分かれ、それぞれのリズムで走り出していきます。
景色のひらけた見晴らしのよい道から、長い上り坂と下り坂、そして左右を森に囲まれた道まで、変化に富んだロードコースは長距離走のトレーニングにぴったり。選手たちは懸命にコースを駆け抜けました。
長期合宿は「リフレッシュ」と「調整」も大事
朝練習を終え、朝食の後は午前練習に移ります。この日は「ボール補強」というトレーニングで、重みのある大きなゴム製のボールを使い、体の調整と強化を図っていきます。
大きなボールを遠くに飛ばすためには全身をうまく使って投げる必要があり、これによって上半身と下半身の連動性を高め、足腰や体幹の強化につなげます。
また、齋藤ヘッドコーチは「ボール補強を朝練と午後の練習の間に設定することで、気持ちを切り替え、集中力を切らさずにトレーニングに取り組んでもらう狙いもあります」と説明します。練習の強度やリズムを変えて、集中力を保つことで、練習の密度を高めていこうというわけです。
一日の締めは雨のなかのクロスカントリー走
この日最後の練習メニューはクロスカントリー走。自然豊かで起伏に富んだコースを走るもので、士別市ではゴムチップ入りの路面が整備されており、膝や筋肉への負担が少なく、安心して走ることができます。
日本郵政グループ女子陸上部・POSTIESは、この後も士別から千歳まで合宿を実施。近日公開する後編記事では、その手応えと、駅伝・マラソンシーズンに向けた抱負を選手たちが語っています。ぜひお楽しみに!
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