地域の目となり、街や住人を見守る。郵便局で広がる「ながら防犯活動」

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郵便局の社員が、配達や窓口業務を行いながら「見守り」や「防犯」の視点を持ち、地域の安全を図る「ながら防犯活動」。今回は、佐賀県鳥栖市で活動に取り組む皆さんにお話を伺いました。活動の概要や想いなどを通じて、郵便局が果たす新たな地域貢献のカタチに迫ります。

村田郵便局 局長
野口 康貴(のぐち やすたか)さん

鳥栖郵便局 総務部
田中 カリカ(たなか かりか)さん

鳥栖郵便局 総務部
平山 春香(ひらやま はるか)さん
包括連携協定に基づく「ながら防犯活動」とは
佐賀県の東端、福岡県との県境に位置する鳥栖市。日本全体の人口が減るなかで、人口が増え続けている活力ある街です。サッカーとバレーボール、2つのプロスポーツの本拠地でもあり、"スポーツの街"としても知られています。
そんな鳥栖市内の7つの郵便局で、地域の力で犯罪を防ごうと、業務に従事しながら地域を見守る「ながら防犯活動」が行われています。
取り組みのきっかけは、鳥栖市と日本郵便が結ぶ包括連携協定でした。

「市役所といろいろな情報交換をするなかで、ながら防犯活動への協力依頼があったんです。ぜひ市内の郵便局全体で取り組もうとお受けしました」(野口さん)

「以前から、周辺の金融機関や警察署と連携して"挨拶運動"などの取り組みを行っていました。広い意味での防犯活動をすでに業務のなかで行っていたので、自然に取り組むことができたと思います」(田中さん)
市内の郵便局で周知を図り、依頼を受けてからわずか1カ月足らずで、ながら防犯活動が始動しました。

「仕事をしながらなので、無理なく防犯活動ができます。地域の子どもたちや高齢者を見守りながら安心して暮らせるまちづくりを目指しています」(平山さん)
郵便局内でも配達中でも。声かけから始まる防犯活動
ながら防犯活動は、郵便局の窓口業務を担当する社員が反射ストラップを身に着けて活動をPRするほか、配達を行う社員も反射タスキを着用して地域の人たちを見守ります。

「以前から高齢の方にお声がけしたり、ATMの様子を見たりということをしていました。過去には、郵便局の近くで小学生に危害を及ぼしそうな不審者を見つけて、学校に連絡したこともありました。ながら防犯活動はそういった取り組みの延長線上だと思っています」(野口さん)

鳥栖郵便局で配達業務を担当する大西 寛(おおにし ひろし)さんは、配達中、一人で不安そうに歩いている子どもに気をとめて「おはよう!」と挨拶をしました。後日、配達中にばったり会った保護者の方からかけられたのは「子どもに声をかけてくれてありがとう」という感謝の言葉。そんな何気ない日常の一言も、子どもを見守ることにつながっています。

配達途中、路上で具合の悪そうな方を発見した際は、声をかける。必要であれば救急車を呼んだり病院へ運んだりもする。日々地域をまわる配達員によるながら防犯活動のおかげで、確実な手応えとともに着実に防犯意識が高まっています。
地域の人に寄り添って、安心してもらえる環境づくりを
「おはよう!」「大丈夫ですか?」──。
毎日の挨拶や、困っている人への声かけから始まる防犯活動。ストラップやタスキを身に着けることで、より活動がしやすくなり、これまで以上に防犯への意識が高まります。

「困っている人がいれば手を差し伸べるという想いをみんなで共有しています。地域の暮らしに寄り添って、安心・安全を支えていければと思います」(平山さん)
「郵便局から地域の笑顔を生み出したいですし、地域の一人ひとりに寄り添っていきたいです。困ったときはいつでも私たちに声をかけてください」(田中さん)
鳥栖市の郵便局では、これからもながら防犯活動を通して地域を見守っていきます。
「郵便局を身近に感じてもらえるのが一番いいですし、温かい存在でありたいですね。ながら防犯活動を広めて、安心して気軽に足を運んでもらえる環境をこれからもつくっていきたいです」(野口さん)


