仕事を通じて"自らが望む"人生設計を! ゆうちょ銀行のキャリア開発支援の取り組み

仕事を通じて

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株式会社ゆうちょ銀行では、社員自らが将来のありたい姿を考え、それに向けたキャリアプランを実行していくための気づきや学びの機会として、さまざまなプログラムを展開しています。このような「キャリア開発支援」の目的や具体的な施策、今後の展望などについて、人事部の加賀美 勇也(かがみ ゆうや)さん、寺澤 遥奈(てらさわ はるな)さん、人材開発室の髙山 舞子(たかやま まいこ)さんにお話を伺いました。

加賀美 勇也(かがみ ゆうや)さん

株式会社ゆうちょ銀行
コーポレートスタッフ部門 人事部 グループリーダー

加賀美 勇也(かがみ ゆうや)さん

2011年、株式会社ゆうちょ銀行に入社。2020年より人事部に所属。現在は人材配置や人材ポートフォリオ、キャリア開発支援にかかわる業務などに携わる。

寺澤 遥奈(てらさわ はるな)さん

株式会社ゆうちょ銀行
コーポレートスタッフ部門 人事部 主任

寺澤 遥奈(てらさわ はるな)さん

2017年、株式会社ゆうちょ銀行に入社。2023年より人事部に所属し、キャリア開発支援制度の事務局を担当している。

髙山 舞子(たかやま まいこ)さん

株式会社ゆうちょ銀行
コーポレートスタッフ部門 人事部 人材開発室 主任

髙山 舞子(たかやま まいこ)さん

2016年、株式会社ゆうちょ銀行に入社。2021年より人材開発室に配属となり、自行における人材育成全般に関する業務に携わっている。

人は財産だからこそ「成長を促す」取り組みを積極的に展開

――キャリア開発支援とはどのような取り組みなのでしょうか?

髙山:私たちゆうちょ銀行では、キャリアとは「社員自身が仕事を通じて描いていく人生設計」と捉えています。つまり、仕事だけでなくプライベートも含めて未来を切り拓き、主体的にチャレンジしていくための機会を提供していくことをキャリア開発支援と考えています。

加賀美:キャリア開発支援を始めたのは、従来のような終身雇用を前提とした雇用形態が変化し、人材の流動化が進む社会的背景が影響しています。私たちも、社員一人ひとりが自らの将来を自律的に考え、会社と社員が選び選ばれる関係性を築かなければなりません。社員自らがキャリアを考え、それに向かって取り組んでいけるよう、当行では「キャリアを切り拓く意識の醸成」「キャリアを選択する機会の提供」「キャリア開拓にかかわる学習機会の提供」という3つの観点から施策を展開しています。

髙山:「キャリアを切り拓く意識の醸成」の具体的な施策としては、キャリアデザインガイドブックとキャリアデザイン研修が挙げられます。キャリアデザインガイドブックとは、社員がキャリアを考えるための一助となるよう、会社の全組織・全部署の業務内容や実際に活躍している社員へのインタビューなどを掲載したものです。

キャリアデザイン研修は、仕事を通じて「描きたい人生」を実現していくために何をすべきか、という行動の部分を社員の皆さんに考えていただく施策です。毎年開催していて、昨年度からは人生設計まで踏み込んだ内容に発展しています。

キャリア形成支援の施策紹介だけでなく、各部署の社員たちが自ら工夫してその仕事内容や魅力を紹介

寺澤:「キャリアを選択する機会の提供」の部分では、社員自らが手を挙げてキャリアアップに挑戦する制度(キャリアチャレンジ制度)を導入しています。社内公募による部署異動を可能とした制度で、対象部署・応募者数ともに年々増加しています。

さらに「キャリア開拓にかかわる学習機会の提供」については、全社員が利用できるeラーニングメニューを順次拡充しているほか、通信教育に加え、大学院への留学費用助成を実施するなど、自主的なキャリア形成支援策を用意しています。

組織としても社員のキャリア形成をサポート

――現在、社員の皆さんのキャリアに対する意識はどのような状況だと感じていますか?

寺澤:キャリアチャレンジ制度の導入によって若い世代を中心に、「キャリアは自分で切り拓いていくもの」という意識は着実に広まってきていると感じます。

髙山:一連の取り組みは「社員」が自らのキャリアを考えるためのものではあるのですが、社員を受け入れる「部署」側の意識も変わってきていると思っています。特に、先ほど挙げたキャリアデザインガイドブックの作成にあたっては、各部署において、「個々がキャリアを考える一助になるように、自分たちの部署のイメージがきちんと伝わるように」と、それぞれ掲載内容を工夫するようになっています。キャリア開発に対して、社員個人で取り組むだけでなく、組織としてもサポートする体制になっていると感じます。

加賀美:さらに、上司からのサポートとして、1on1(ワンオンワン)ミーティングも行っています。これは、主には職場の心理的安全性を高めるなどのために実施していますが、部下が考えるキャリアパスなどについてもテーマとしています。より効果的な面談になるように、上司である社員の皆さんへの事前研修の実施なども行っています。

1on1ミーティングの実施にあたっては、部下との円滑なコミュニケーションを支援するためのツールも提供

――2023年度からはキャリア開発支援の一環として「キャリア月間」が始まったそうですが、どういった取り組みなのでしょうか?

髙山:キャリア月間とは、端的に言えば、自らのキャリアと向き合うための期間をあえて設ける取り組みです。これまでバラバラのタイミングで社員周知していたキャリア関連の施策内容を、「キャリア月間」にまとめて案内することとし、社員にとって、よりわかりやすく、しっかりとキャリアに向き合えるきっかけにしていただきたいと考えました。当行では毎年9月に、次年度のキャリア希望を会社へ申告するので、その前に自らのキャリアと向き合える機会をという考えから、8月をキャリア月間と定めています。

初めてキャリア月間を実施した今年度は、テレワークやフレックス制度の導入を進めている部署の部長やチームリーダーの方々に登壇してもらい、ディスカッションも行いました。参加者からは「キャリアとの関係で、どのような考えから、テレワークやフレックス制度など新しい働き方を推進しているのかがわかってよかった」「『育児をしながらキャリアを積んでいくにはどうすればいいのか』といった悩みを、会社としても共通認識として持っていることがわかり安心した」など、いろいろな反響をいただきました。

また、ディスカッションは「キャリア月間」後もテーマを変え、社員がキャリアと向き合うきっかけとなるよう、外部講師も招きながら、継続的に実施しています。

2023年11月に「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」顧問の田中研之輔氏を招き開催したディスカッションには、多くの社員が参加

キャリア開発支援をきっかけに広がる人材育成の未来とは

――では、実際にキャリア開発支援を活用した社員の皆さんの反応はいかがでしたか?

髙山:キャリアチャレンジ制度への応募に際して、社員には志望動機などを記述してもらうのですが、皆さん仕事に対する熱意にあふれていて、ご自身のキャリアをしっかりと考えているのが伝わってきました。

受け入れる側の部署からも、意欲のある社員がたくさん来てほしいという思いとともに、よりよい経験をしてもらえるよう育成に力を入れたいという声が多く聞かれ、相乗効果が生まれていると実感しています。

加賀美:会社が社員にキャリアを用意するだけではなく、社員が自ら進みたい道を歩んでいくことで、受け入れる側も自分たちが選んでもらえるよう努力を続ける。そうした選び選ばれる理想的な姿に、徐々にですが近づいていっていると、私も感じています。

――今後の展望をお聞かせください。

加賀美:やはり、自分の進んでいきたい未来に向かって自らアクションしていける社員が増えていくことを期待します。その一方で、会社としては、社員が自らのキャリアを考える機会をどれだけ作れるかが課題といえます。単に公募や研修などを増やすのではなく、日ごろからキャリアを考えることにつながるような仕掛けも考えていく必要があると思っています。

寺澤:キャリアチャレンジ制度では、昨年度から、受け入れる側の各部署の紹介ムービーを制作し、社内で公開しています。今年度は、昨年度のムービー内容を参考に、各部署ともムービー制作により力を入れるようになりました。そうした受け入れる側の意識が、今後もさらに高まっていってくれればと思います。

そして、私たちもさらに工夫を重ねていくことで社員のキャリアへの意識を高め、キャリア資産の蓄積に貢献していきたいです。

髙山:私を含めて多くの社員が、入社した後に改めて「なぜゆうちょ銀行で働いているのか」と考えることはあまりなかったと思います。キャリアについて考えるとき、この会社で働くことのやりがいとか、これからこの会社でやりたいことを考えてワクワクするとか、そうした気持ちになれる機会もいっしょに増やしていければと思っています。

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