地域色豊かな絵柄にも注目!寄付金付年賀はがきの魅力と意義

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今年も11月1日から販売が開始された寄付金付年賀はがき。全国各地でお客さまにご購入いただくことで集まった寄付金は、日本郵便株式会社を通じて社会に役立てられています。
今回は、地方版の寄付金付年賀はがきの絵柄の選定をはじめ、年賀寄付金の助成金説明会などを担う担当者と、寄付金を活用された団体の方へのインタビューを通じて年賀寄付金の取り組みをご紹介します。

日本郵便株式会社 南関東支社
経営管理本部 総務部 係長

菅野 希栄(かんの きえ)さん

1991年、当時の郵政省に入省。郵便局での勤務を経て、南関東支社に配属。郵便・物流営業やダイバーシティ推進に関する業務などを経験したのち、2022年から現職。

日本郵便株式会社 北陸支社
経営管理本部 総務部 係長

戸部 雅和(とべ まさかず)さん

1994年、当時の郵政省に入省。郵便局での勤務を経て、北陸支社に配属。コンプライアンスや安全推進に関する業務などを経験したのち、2021年から現職。

誰でも、1枚からでも。手軽にできる社会貢献「寄付金付年賀はがき」

年賀はがきの購入を通じて社会貢献の寄付活動に参加できる年賀寄付金配分事業。無地の年賀はがきが63円ということもあり、絵が入っている寄付金付年賀はがきの68円のうち5円は「絵柄の代金」と思われがちですが、そうではありません。5円は寄付金として、社会福祉の増進、地球環境の保全などの事業を行う団体の活動に役立てています。

お客さまからお預かりした寄付金は、全国各地の団体に配分しています。毎年、配分を希望する団体を公募し、社外有識者による審査委員会の審査を経て助成先が決定されます。

助成制度の概要や審査のポイント、申請書の書き方、助成金の活用事例などを助成金説明会で説明しています。各地で開かれる説明会のうち、南関東と北陸それぞれの支社で担当をされた菅野さんと戸部さんにお話を伺いました。

――これまで本社で行われていた助成金説明会ですが、2023年度は全国の支社で行われました。説明会にはどのような想いで臨みましたか。

菅野:南関東支社は、神奈川県と山梨県を担当しています。これまでの説明会のアンケートを読むとわかりやすくてよかったという声があったので、私たちもわかりやすい説明をしなければと、そして、より多くの方に助成制度に申請してみようと思ってもらえればという想いで説明会に臨みました。

戸部:北陸支社は、富山県、石川県、福井県の3県を担当しています。「説明者」というのはこれまで経験のない業務でプレッシャーもありましたが、できるだけわかりやすい説明に努めました。

――説明会に参加された事業者・団体の方々からどのような反応がありましたか。

菅野:南関東支社で開催した説明会には10人ほどの方が参加されましたが、積極的に質問が挙がるなど、熱心に申請を考えている方が多くいらした印象です。

戸部:北陸支社で開催した説明会には20人ほどの方が参加されました。皆さん、真剣なまなざしで聞いていらして緊張感のある説明会でした。

――印象に残っている質問などはありますか。

菅野:検討している施策が助成金の対象なのかという質問が多かったです。助成の対象になる事業分野は10分野ありますので、それぞれ具体的なイメージを持ってもらえるよう、これまでの事例も交えながら説明しました。

戸部:北陸の説明会も同じような質問が多かったですね。なかには、どうすれば助成先に選ばれるのかというストレートな質問もありました。助成先は社外有識者による審査委員会の審査を経て決定されますので、取り組んでいる事業の効果や成果目標、その根拠などを適切に伝えることが大事というお話もしました。

寄付金の活用事例と活動団体の代表さまの声

配分が決定した助成先では、寄付金はどのように使われているのでしょうか。以前(2021年度)に助成金を活用された団体の一つ、社会福祉法人やちぐさ会 古川 繁成(ふるかわ しげなり)さんにお話を伺いました。

社会福祉法人やちぐさ会 事務長

古川 繁成(ふるかわ しげなり)さん

――団体の構成や活動内容について教えてください。

古川:石川県金沢市牧町にある社会福祉法人やちぐさ会は、知的障がい者の通所施設や多機能型事業所などを運営しています。地域行事に積極的に参加するとともに、地域貢献として施設開放を行っています。また、施設内には運動不足解消や健康増進のためのグラウンドゴルフ場があり、地域の団体に貸し出していて皆さまに大変喜ばれています。

――助成金はどのようなことに活用されましたか? 活動の成果や利用者の声についてもお聞かせください。

油圧ショベルは、冬季の除雪をはじめグラウンドゴルフ場や畑の整備にも活用されています

古川:施設のある石川県金沢市は、冬の間は毎日のように積雪するため、助成金を活用して油圧ショベルを導入しました。効率よく除雪できるようになったことで安全に歩けますし、施設内の駐車に困ることがなくなったので、利用者や職員に大変喜ばれています。油圧ショベルを導入後、利用者の送迎バスの積雪による運行中止回数をゼロにすることもできました。また、地域の団体にご利用いただいているグラウンドゴルフ場や畑の整備にも油圧ショベルを活用しています。年賀寄付金の配分を受けることができたことで、路面の安全対策という面だけでなく、除雪作業を行う職員の負担も大きく軽減できましたし、地域との結びつきもより深まったと感じています。

――日本郵便の年賀寄付金の取り組みについて、どのような印象をお持ちですか?

古川:さまざまな事業範囲で年賀寄付金の配分事業をされていて、必要な助成金を申請できる点が、法人や団体にとって大変助かっています。私たちが困っていることに、しっかり向き合っていただけた実感がありますね。事務局の皆さまをはじめ北陸支社の皆さまからは、申請時に問い合わせをしたときも助成金の活用実績を報告したときも、いつもとても丁寧な対応をいただき、安心して思い描いていた目的を達成することができました。

――寄付金付年賀はがきを購入された方へ、メッセージをお願いします。

古川:皆さまからの寄付金を活用して油圧ショベルを導入することができました。温かな気持ちがこもったご寄付に感謝しています。ご寄付をいただきました皆さま、本当にありがとうございました。

地域交流の場にて油圧ショベルを披露したときの様子。「助成金を通して地域との結びつきが深まった」と、古川さんは語ります

多彩な絵柄が魅力! 干支を描いた全国版と地域色豊かな地方版

全国各地の社会課題の解決に役立っている寄付金付年賀はがきは、2024年用は全国版1種に地方版27種を加えた全28種です。その年の干支の絵柄を入れた全国版に対して、地方版は毎年変わる地域の特色を活かしたデザインが特徴です。

2024年用の地方版27種。名所、食文化、動物など、地域色を打ち出した絵柄がそろいます

――地方版の絵柄はどのようにして選ばれていますか。

菅野:私たち南関東支社では、一般公募で広く絵柄を募り、応募された作品を支社で選定して審査・決定しています。2024年用の絵柄は、山梨県は、「富士に鶯(うぐいす)」という題名がついた、富士山と梅と鶯の新春らしい絵柄、神奈川県は、横浜を代表する「横浜赤レンガ倉庫」の絵柄で、構造物のまわりに春らしい色彩を使っています。どちらも鮮やかな色彩のデザインになっています。

左から山梨県「富士に鶯」、神奈川県「横浜赤レンガ倉庫」

戸部:北陸支社では、お客さまにアンケートはがきをお渡しして、回答いただいた内容を踏まえ絵柄を選びました。2024年用は3県とも同じ作者の絵柄で、やわらかで温かみのあるタッチが特徴です。県を象徴する恐竜を描いた福井県版など、3県ともに地域をPRする題材になっています。

左から福井県「福井、太古の浪漫」、石川県「霊峰白山に初日の出」、富山県「勝興寺に春の訪れ」
2024年・全国版「龍と彩雲」。全国版は全国の郵便局などで購入できます。地方版は一部の地域限定で販売しています

これまでも、これからも。未来の可能性を広げる年賀寄付金

――年賀寄付金の業務のやりがいを教えてください。

菅野:2023年用年賀販売で、お客さまから寄せられた年賀寄付金は、総額2.1億円にも上り、地域や社会の発展に貢献できるものとして、まさに誇るべき助成制度だと思います。贈呈先の団体の方からお話を聞く機会がありましたが、すごく感謝されて、とても有意義で有効なものだと改めて感じました。

戸部:本当にやりがいのある業務だと思います。助成先の団体の方からは、何度もお礼を言っていただいて恐縮しますが、同時にやりがいを感じます。年賀寄付金は、年賀はがきを買ってくださった全国のお客さまからの寄付ですから、多くの方が趣旨に賛同しご協力くださったことをとてもうれしく思いますし、素敵な取り組みだと思っています。

――年賀状が寄付につながり誰かの助けになるというのはとても素敵な取り組みですね。お二人は、年賀寄付金の仕事に携わる前と後で寄付に対するイメージは変わりましたか。

菅野:はい。これまでも一商品として寄付金付年賀はがきを扱ったことはあったのですが、寄付金がどのような事業に活用されているのかなどは正直わかっていませんでした。年賀寄付金の仕事に携わることになり、助成金が地域で頑張る方の応援につながっていることを実感した今、ぜひ、お客さまには寄付金付年賀はがきを選んでいただけたらうれしいなと思います。

戸部:私もこの業務に携わる前は年賀寄付金という制度の有用性をきちんと理解できていなかったのが正直なところです。気軽にできる社会貢献活動の一つで、本当にすばらしい制度だなと感じています。個人的には、この仕事を始めてから意識が変わって、微力ながら寄付活動をするようになりました。

――最後に年賀状に対する想いやメッセージをお願いします。

南関東支社で年賀寄付金事業を担当する皆さん

菅野:寄付金付年賀はがきの業務に携わるなかで、手書きの温かさですとか、手書きだから伝わることを大事にしたいと改めて感じています。1年に1回のやりとりであっても、年賀状を受け取ったことで相手の元気な様子が伝わることもあります。皆さんにもぜひ年賀状を活用いただければと思いますし、その際に使用するはがきとして、寄付金付きの年賀はがきを選んでいただけるとうれしいです。

北陸支社で年賀寄付金事業を担当する皆さん

戸部:年賀状での新年の挨拶は、日本が誇る大事な文化の一つだと思います。絶やすことなく継承していけるとうれしいですね。そして、寄付金付年賀はがきは、気軽にできる社会貢献活動の一つだと感じていますので、ぜひ絵柄のついた寄付金付きのはがきを使って、新年の挨拶を行ってみてはいかがでしょうか。

寄付金付年賀はがきを通じて、お預かりした寄付金を大切に役立てている年賀寄付金。新年のご挨拶には、ぜひ寄付金付年賀はがきをご利用ください。

年賀寄付金に関する記事はこちら!

※ 年賀寄付金の配分を希望する団体の公募は、例年9月上旬から11月上旬にかけて日本郵便株式会社Webサイト内で行います。詳細は年賀寄付金事務局にお問い合わせください。

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