私のオンとオフ スイッチインタビュー ラクロス審判員として国際大会で活躍する、郵便局社員のリアルボイス

私のオンとオフ スイッチインタビュー ラクロス審判員として国際大会で活躍する、郵便局社員のリアルボイス

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全国24,000ある郵便局、そして日本郵政グループの社員はおよそ40万人。この企画では、それぞれの立場で仕事に取り組む社員の姿勢と知られざるプライベートでの横顔、そんなオンとオフの両面で活躍する社員の魅力ある個性を掘り下げていきます。今回話を聞いたのは、福岡金山団地郵便局に勤務する大久保 祐子(おおくぼ ゆうこ)さん。窓口業務を担当する一方、ラクロスの国際審判員として国際大会でも活躍しています。その活躍の様子とオンとオフの意外な共通点に迫ります。

大久保 祐子(おおくぼ ゆうこ)さん

福岡金山団地郵便局

大久保 祐子(おおくぼ ゆうこ)さん

2010年入社。郵便局では主に窓口業務を担当。プライベートでは、ラクロスの国際審判員として、国内大会だけでなく国際大会の審判員も務める。

前向きにチャレンジしながら仕事をアップデート

――大久保さんが働く福岡金山団地郵便局は、どんな郵便局ですか。

大久保:郵便局の名称にもなっている金山団地の敷地内にある郵便局で、お客さまの多くは団地や近隣にお住まいの方です。小規模な郵便局ではありますが、とてもアットホームな雰囲気です。

福岡金山団地郵便局で働く皆さん。アットホームな雰囲気で、お客さまとの距離も近い

――大久保さんは転職されて郵便局で働き始めたそうですね。

大久保:はい。ラクロスの審判員として活動をしていると、大会期間中は遠征などもあって、長いときは1週間単位でお休みをいただく必要があります。新卒で入社した会社では長期の休みを取るのがなかなか難しかったので、転職して郵便局で働き始めました。採用面接でお休みのことを正直に伝えた際、「応援するよ」と言っていただいたんです。今も審判員の活動を応援してもらっていて、本当に感謝しています。

――郵便局では、普段どういったお仕事をしていますか。

大久保:主に貯金と保険を担当していて、郵便局に来られたお客さまからのご相談などをお聞きしています。お客さまへ最新の情報をご案内できるよう、2021年度にはAFPの資格を取得しました。この資格は2年ごとに更新が必要となります。更新に向けて日頃から情報をアップデートし、最新の知識を身につけることで、お客さまに正しいアドバイスをしていきたいと思っています。

――仕事のやりがいはどんなところですか。

大久保:やっぱり、お客さまのお悩みやご要望に対してベストなご提案ができて、お客さまに喜んでいただけたときはとてもうれしいですね。「教えてくれてありがとう」と言われると、この仕事をやっていてよかったなと感じます。

「お客さまが求めていることは何かを見極めるのは、難しいながらもやりがい」と話す大久保さん

――仕事をするうえでのモットーを教えてください。

大久保:資格取得のための勉強や社内研修など、何ごとにも前向きにチャレンジすることを心がけています。それが、お客さまに対するベストなご提案にもつながると思っています。

大学生から始めた審判員。実績を積んで1級審判員へ

――仕事のかたわら女子ラクロスの審判員として活動されているとのことですが、ラクロスはどういったスポーツですか。

大久保:1チーム10人の2チームで、野球の硬式ボールより少し小さい直径6cmの球を、クロスと呼ばれる先に網のついたスティックを使い、相手陣地のゴールをめがけ、シュートして点を取り合うスポーツです。男女で試合のルールが異なるのも特徴で、男子の試合では、激しい接触があったり、シュートスピードが150キロを超えたりすることもあって"地上最速の格闘球技"といわれています。スピード感にあふれて、ダイナミックなプレーが魅力のスポーツだと思います。

――大久保さんがラクロスを始めたのはいつからですか。

大久保:大学に入学してからです。最初は選手としてプレーしていたのですが、3年生のときにけがで長期間休んだことをきっかけに選手を引退し、そこから審判に専念するようになりました。

――ラクロスのプレーヤーと審判員で、面白さは違いますか。

大久保:プレーヤーと違って審判員には勝敗がないので、成果が明確にわかるものではありません。審判員としてできることが増えていくというのが醍醐味(だいごみ)の一つで、その経験を積んでいくのが楽しさややりがいだなと思っています。

大久保さんの審判員歴は約17年。4級審判員からキャリアを重ねて、現在は1級審判員として活躍しています(写真提供 海藤 秀満/JLA:WORLD LACROSSE女子世界選手権大会(2022年)アメリカ対カナダ戦)

――大久保さんは1級審判員ということですが、どういう資格ですか。

大久保:1級審判員は国内で最高ランクの審判員です。4級から段階を踏んで昇級していくのですが、昇級するためには筆記試験や講習を受けるほかに、実際の試合で実績を積む必要があります。現在、国内で女子ラクロスの1級審判員の資格を持っているのは30人ほどです。

審判を務める大久保さん(写真提供 海藤 秀満/JLA:WORLD LACROSSE女子世界選手権大会(2022年)イタリア対チェコ戦)

――そのなかでも大久保さんは、国際大会でも審判を務めているそうですね。国際大会に派遣されるようになった経緯を教えてください。

大久保:ワールドカップやアジア選手権などの国際大会には、1級審判員のなかでも、さらに国際審判員の資格を持った者が派遣されます。国際審判員の資格を得るためには、国内の試合で実績を積むほかに、国際大会での実地査定やルールテストなどをパスしなければなりません。女子ラクロスの国際審判員の資格を持っているのは、現在、全国で9人です。

――そうなのですね! 国際大会で審判を務めることのやりがいは何ですか。

大久保:やはり海外選手のプレーを一番近くで見ることができることですね。進化を続ける世界のラクロスを体感できるというのは、とてもぜいたくなことだと思います。また、海外の大会に参加するようになってから、世界中に友だちや知り合いができるようになったので、それが自分にとって大きな財産だなと感じますね。

国際大会にて審判員の皆さんとともに。左が大久保さん。人種や国境を超え、ラクロスを通じて人脈が広がります(WORLD LACROSSE女子19歳以下世界選手権大会(2019年))

――仕事と審判員の活動を両立する点で難しいことはありますか。

大久保:体力面では年々大変だなと思っています。仕事も審判も、無理をし過ぎたら支障が出てしまいます。継続して良いパフォーマンスを出し続けるためには、自分の限界をしっかりと把握して、メリハリをつけながらバランスをとることが、両立するカギだなと思っています。

――仕事と審判員、それぞれの高みを目指されていますね。何をモチベーションに取り組んでいますか。

大久保:そもそもチャレンジすること自体が好きなんだろうなと思います。小さなことでも何かができるようになると達成感もあるし、うれしくなります。仕事と審判員それぞれの活動により自分の視野が広がって、視座を高められるのがモチベーションの一つになっています。

自分から壁を作らず、積極的にコミュニケーションを

――仕事と審判との切り替えで意識していることはありますか。

大久保:意識して切り替えていたつもりはなかったのですが、仕事のときの方が人に寛容な気はします(笑)。仕事のときは、お客さまの気持ちに寄り添っていっしょに考えるよう心がけているのですが、審判員をしているときには、判断の遅れにもつながるので、あえて選手への情を持ち過ぎずに、客観的に俯瞰(ふかん)した目線を大切にしています。

職場の福岡金山団地郵便局

――仕事と審判員の活動で共通する心構えやスキルはありますか。

大久保:自分から壁を作らずに接することは、双方に共通するスキルだと思います。郵便局の窓口での仕事は、お客さまとお話しする機会が多いので、こうしたスキルを身につけることに役立っています。そして、審判員をしていると「厳しい」「怖い」というイメージを持たれてしまいがちなので、仕事で身につけたスキルを活かし、自分から選手に積極的に話しかけたり、コミュニケーションをとったりするようにしています。

仕事でも審判員としても信頼される存在を目指して

――仕事に審判員の活動にとお忙しいですが、今後の目標はありますか。

大久保:仕事面では、いろいろな分野を勉強して、これまでよりも幅広く業務を担当できたらと思います。審判員の活動では、ワールドカップでの決勝戦や3位決定戦などのメダルのかかった国際試合で審判を担当してみたいですね。

――将来、どんな存在になりたいですか。

大久保:まず仕事では、お客さまからもいっしょに働いている同僚からも信頼される存在になりたいです。そして審判員としても、国内外問わず「大久保さんが審判を担当してくれてよかった」と選手に言ってもらえるような、信頼される存在になれたらいいなと思います。

――2028年にロサンゼルスで開催される世界的なスポーツイベントでは、ラクロスが競技種目になりましたね。

大久保:そうなんです! 競技種目になったので、その舞台に立つことを新たな目標にして、頑張りたいと思います。

福岡金山団地郵便局の近くにある"幸せの黄色いポスト"といっしょに

――最後に、仕事と審判員の活動の両立の極意を教えてください。

大久保:それぞれを一所懸命やるからこそ、相乗効果でうまくライフスタイルが回っていると感じています。どちらも自分の人生を豊かにしてくれる存在で、だからこそ、成長し続けたいという思いでいます。

オン・オフ両立の極意

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