ローカル共創のススメVol.2 石川県七尾市で郵便局ネットワークを活かして事業承継をサポート!

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「地域(ローカル)」をフィールドとした日本郵政グループの新たなプロジェクト、「ローカル共創イニシアティブ」について紹介していきます。 ローカル共創イニシアティブは、地域をフィールドにしてローカルベンチャーと共創施策を生み出していくことと、日本郵政グループにおいて、チャレンジしたい人材がチャレンジできる環境をつくることを目的に立ち上げられました。

今回は、本プロジェクトで、石川県七尾市の株式会社ノトツグに出向している酒井 健伍(さかい けんご)さんの姿を追います。
さらに、株式会社ノトツグ代表取締役である友田 景(ともだ けい)さん、酒井さんと地域の企業をつなぐ郵便局長の一人である和倉温泉郵便局長の立川 尚人(たつかわ なおと)さんにもお集りいただき、ノトツグの所在地の町家「佐野邸」でお話しを伺いました。

日本郵政株式会社 新規ビジネス室 主任

酒井 健伍(さかい けんご)さん

2015年、株式会社かんぽ生命保険に入社。営業や総務などを経験した後、募集管理統括部に所属。新規ビジネス室に配属後、2022年春より、企業のサステナビリティ、事業承継、企業買収などを行うノトツグ(石川県七尾市)に出向。

株式会社ノトツグ 代表取締役

友田 景(ともだ けい)さん

2017年、株式会社ビズデザイン大阪を設立、代表取締役就任。石川県七尾市の地方創生の仕事に携わった後、能登DMC合同会社、株式会社ノトツグを設立し、代表に就任。現在、大阪府と石川県の二拠点居住をしている。

和倉温泉郵便局 局長

立川 尚人(たつかわ なおと)さん

石川県七尾市にある和倉温泉の生まれ。関東の薬品メーカーで営業職を務めたのち、2006年に地元へ戻り、121年の歴史を持つ和倉温泉郵便局の局長を務める。

新しいチャレンジをチャンスと捉えて応募

――酒井さんが「ローカル共創イニシアティブ」に応募された動機を教えてください。

酒井:日本郵政グループとしての新しいチャレンジだと感じ、自分にとってもチャンスだと思い手を挙げました。

――友田さんと日本郵政グループとの出会いを教えてください。

友田:2020年に催された地域課題を学ぶツアーに、日本郵政グループの皆さんがいらしたのが出会いです。できて間もない会社に社員を出向させる決断をしてくれたので、すごいなと思いました。

日本郵政グループの出向候補者の方々と個別面談をしたのですが、皆さん、能登のことを親身に考えてくれていて、真剣に取り組みたいという想いを聞き、これは一緒にお仕事できそうだなと感じました。

酒井:面談の時に、事業承継という地域課題の解決は当然ですが、きれい事だけではビジネスとして成り立たないのではという話もしましたね。

山と海、豊かな文化、人をもてなす気持ちがあふれる七尾市

――七尾市の印象はどうですか。

酒井:もともと魚を釣るのも食べるのも好きなのですが、能登は魚がおいしくて、休日は船釣りも楽しめて、この土地が自分に合っているなと感じています。

美しい海に面した七尾市。

立川:山と海があり、食べ物がおいしい。能登はお祭りが盛んで、輪島塗などの誇れる文化もあります。「能登はやさしや土までも」という言葉があるほど、人はもとより土までも優しい土地柄なんですよ。人柄がよくて面倒見のいい人が多い印象ですね。

酒井:はい、人をもてなす気持ちや優しさを感じています。いろいろな方にもてなされて、移住してからすでに3kgほど太りました(笑)。それから、時間の使い方が変わったのも大きな変化です。以前は仕事続きで、家に居ても仕事のことを考えたりしていましたが、今は、家族と過ごす時間や人生について考える機会が増えました。

七尾市内には古くから親しまれている老舗も多く見かけます

能登の企業を巡り相談に乗る日々。日本郵政グループの信用力を実感

――出向先のノトツグでは具体的にどのようなお仕事をしていますか。

酒井:地域の事情に詳しい郵便局の局長さんを訪問して、「お困りの会社さんを知りませんか?」と、聞いてまわっているところです。担い手がなく廃業を考えていたり、事業承継に悩みを抱えていたりする企業を紹介してもらい、実際に出向いてお話を聞いています。

図説

――郵便局が、地域と酒井さんをつなぐパイプ役になっているのですね。

酒井:はい。事業承継などデリケートな話をする相手は限られますから、地域での局長さんたちの存在はとても大きいと感じています。

立川:地域の郵便局長は、地域の方々と顔を合わせる回数が絶対的に多いと思います。なぜなら多くの局長は、町内会の各種会合や地域の清掃・防災活動などに顔を出しともに汗を流すことで、いろいろな話を聞かせてもらえる機会や良好な関係性を築いているからです。

酒井:能登には郵便局が83局あり、地域ごとに順番に訪問しています。当初は七尾市だけの予定だったのですが、今は能登半島全域を担当しています。局長さんたちにご紹介をいただき、すでに50件ほどの郵便局を訪問し、10数件の企業をご紹介していただきました。

――もうそんなにお話をお聞きしているんですね!

酒井:そうなんです。局長さんたちが地域の皆さんに信頼されているからこそ、お話を聞かせてくれるのだなと感じています。皆さん、お会いすると、「あなたも郵便局の人なんだね」と言って安心されるので、この会社の信用力に支えられていると実感する日々です。

日本郵政グループだからこそできる方法で地域課題に取り組む

――能登では、どういった困り事が多いのでしょうか。

立川:どの地域でも抱えている悩みだと思いますが、人口減少とともに産業が廃れて担い手がいないということです。これは、地域自体がなくなってしまうことにもつながります。

酒井:能登は、漁業や農業など、第一次産業が中心で加工産業は多くありません。例えば人手がなくて耕作放棄地になっているとか、高齢で病気になり事業を続けていくのが難しいといったケースも多いですね。

友田:労働集約型の事業が多いため、年齢を重ねると体力的にもたなくなり、売り上げが下がってしまいます。ITの活用などにより業務を省力化できることもありますが、実際にはテクノロジーについていけないといった問題もあります。

酒井:そうですね。近年、第一次産業でもIT化が進んでいますが、そもそもパソコンが使えない人も少なくありません。また、この先事業を拡大していくビジョンを描けないので、若い人も新規参入しにくい。お話をお伺いして、事業承継が難しい企業があれば、ノトツグで事業を引き継いで、できる限りコスト面を抑えながら継続するという提案もしています。

立川:日本郵政グループがこうして他業種の方々と一緒に事業を行うのはすごいことだと思います。ベンチャー企業とコラボして地域課題に取り組むことで、新しい価値が生まれることを期待していますし、私も力になりたいですね。

――「地域(ローカル)」が抱える課題が見えてきましたが、解決に欠かせないものは何だと思いますか。

友田:ネットワークが大事だと思います。一社だけだと解決しにくい問題も、ネットワークを広げていくことで解決できることが増えていくのではないかと考えています。

そうした中で全国にリアルネットワークを持つ郵便局は、地域と地域をつなげる存在として非常に可能性がありますよね。さらに、物流もやっていますから、ネットワークを活用してできることはたくさんあると思います。

立川:可能性が広がりますね。日本全国には約2万4,000の郵便局ネットワークがありますから力になれると思います。

友田:私は、「能登を継ぐ」という思いでノトツグという社名を付けました。成功モデルをつくって、知見をほかの地域にも提供していきたいです。例えば「サツマツグ」とか、〇〇〇ツグが全国津々浦々で広がっていけば地域の課題解決に役立てると思っています。

酒井:私は、新しいビジネスが生まれるところに関わっていきたいと思っています。能登にいる2年の間に、案件を成約して、それがノトツグとしての成功だけでなく、郵便局の新たな価値向上にも資すればという想いで取り組んでいます。

※撮影時のみマスクを外しています。

ローカル共創のススメVol.1地域を支える基盤づくりに郵政社員が挑戦! 「ローカル共創イニシアティブ」とは!?
            

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