男性も育休取得率100%へ! 男性育休が本人と職場にもたらすものとは?

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リアルな体験談を共有 、「男性育休セミナー」開催!

日本の育児休業制度、実は世界一と評されている(※1)のをご存知でしょうか?
例えば、育児・介護休業法では、子が1歳(保育所に入所できないなど、一定の場合は最長2歳)に達するまで、育児休業を取得できると定められており、父親に認められている育児休業の期間は世界で最も長いそう。
ところが、日本の育児休業取得率(2020年度)を見てみると、女性が81.6%である一方で、男性は12.7%と、ようやく1割を超えたに過ぎません(※2)。その背景には、「会社に言い出しにくい」「仕事を他の人に任せられない」「収入への影響が不安」など、さまざまな理由が。
そこで2021年12月、日本郵政グループは男性の育休取得への理解を促し、育休を取得しやすい雇用環境の整備につなげるため、アフラック生命保険株式会社と共同で、「男性育休セミナー」をオンラインにて開催。日本郵政、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険、アフラック生命保険の社員、約120名が参加しました。
セミナーでは、育休取得の経験者3名と、育休取得しやすい環境を整備した管理者2名が登壇し、育休を取得するまでの準備や引継ぎの工夫、育児休業中の様子、取得後の変化などについて、それぞれの視点から経験談を共有しました。
※1:ユニセフ『先進国の子育て支援の現状(原題:Where Do Rich Countries Stand on Childcare?)』
※2:厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査」
経験者の「やってよかった!」「やっておけばよかった!」まとめ
育休を取得した社員

一般社員
育休は異動と違い、かなり早い段階で休みに入る時期がわかるので、会社には早めに取得の意思を伝えました。そうすることで取得するまでにしっかり準備でき、引継ぎもスムーズに行えました! ちなみに、私は半年前から引継ぎを進めました。

一般社員
赤ちゃんがいると、トイレに入る時間も、「自分の時間」もありません。パパが育休をとって育児・家事を分担することが、ママの心身の健康のためには欠かせないと思います。

管理職
子どもの発熱で早退する社員を見て、正直、「こんな忙しい時に...」と感じることもありましたが、自らも子育てを経験したことで、それが大きな誤りだったと気づきました。子どもは本当によく熱を出しますし、解熱後も24時間が経過するまでは、保育園などに登園できないと知りました。
育休前・育休中にやってよかったこと、困ったことなど
●早期に不在期間中の業務の洗い出しと分担を行い、定期的に共有の機会を設けた
●育休取得の申し出を予定段階で早めに行い、取得までのスケジュールを管理者等と調整した
●引 継ぎを書面で詳しく残すのはもちろん、育休取得までの期間に直接レクチャーを行う等、
後任者への引継ぎを丁寧に行った
<収入面>
●育児休業給付金の申請先の確認
●市区町村などの祝い金・祝いの品の申請
●育児休業給付金の給付額は67%だが、社会保険料が免除されるので、実感としては8割ほど
(ただし、最初の支給は育休を開始してから2~3か月後)
<育児面>
●妻のつわりのケア
●子育て支援センターで沐浴などの練習を行った
●育児状況を共有できるアプリを活用して授乳を分担した(母乳はママ、ミルクはパパ)
●夜の授乳(3時間おき)
仕事に生かせたこと、育休を取得してよかったこと
●育児・家事を経験したことで、育休明けも仕事と育児の両立がしやすくなった
●育児と両立している社員やその周囲の社員への気配りが以前よりもできるようになり、チームで仕事をするという意識が高まった
●子どもの小さな成長を感じることができた
部下が育休を取得した社員(管理職)

管理職
部下の育休は、本人だけでなくチームの成長のチャンスになりました!

管理職
属人的な仕事を見直す機会になるほか、育休取得者の仕事以外での経験がチームに新たな価値観・気づきをもたらすことを実感しました。
職場での工夫
●子の出生の申し出を受けて、チームでの仕事を心掛けて計画的に準備した
●自身に加え、他チームのメンバーもバックアップできるように調整した
社員が育休を取得するメリット
● 他のメンバーの業務経験の幅が広がって個々が成長する
● 育休取得者の仕事以外の経験によって新たな価値観・気づきが生まれてチーム全体も成長する
セミナー受講者からは、「男性も積極的に取得していいものだということを再確認できました」「男女問わずまわりで子の出生予定があれば育休取得を勧めます」など、育休の理解浸透に向けた前向きな声が上がりました。また、「男性ならではの目線、管理者としての目線の両面の話が聞けて、勉強になった。引継ぎ書の作成や属人業務にならない業務分担などは、育休に限らず必要なことなので、徹底したい」といった声も寄せられ、業務の進め方自体を見直す機会にもつながっています。
日本郵政グループの子育て支援の取り組み

「働き続けられる企業」を目指して、両立支援に取り組む日本郵政グループは、法定を上回る休業制度を準備するなど、制度の充実に継続して取り組んでいます。

各種制度の整備に加え、「ワーク・ライフ・バランスガイドブック」を社員に配布。両立支援に関する国や会社の各種制度や、支援の情報をひとまとめにして掲載するなど、制度を利用しやすい職場風土づくりにも力を入れています。
また、グループ社員のみが利用可能な福利厚生サービス「Letter for Benefit」も便利です。Webサイトを通じて必要な情報を知ることができるほか、ベビーシッター利用料金や育児施設の一時保育料金の補助サービスも受けることができます。前述の「ワーク・ライフ・バランスガイドブック」もここで閲覧できます。
日本郵政グループ各社のトップが宣言
男性の育休取得を促進するため、2021年6月には、育児・介護休業法が改正されました。2022年4月から段階的に施行されるなど、今、男性育休の取り組みは社会の大きな動きの一つとなっています。日本郵政グループも「男性も育休取得率100%」を目指して、男性の育休取得の取り組みを力強く推進していきます。その表れとして、各社社長がそれぞれ宣言を行いました。


「私たちは、『男性も育休取得率100%』を目指しています。社員がそれぞれのライフステージに応じて多様な働き方を選択できるよう、育児と仕事の両立支援の取り組みを引き続き推進していきます」(増田社長)






「男女ともに育休取得が当たり前」を目指して
「男女ともに育休取得が当たり前」のグループを目指し、日本郵政グループはこれまでもさまざまな取り組みを行ってきましたが、まだ道半ばです。40万人以上が2万以上の拠点に分かれて働く中、「会社の制度や支援を知らなかった」といった声もまだまだ聞こえてきます。今後も制度を整えるだけでなく、理解浸透に向けてさらに取り組んでいくことが重要です。
2022年度は、新たな取り組みのひとつとして、グループ共通の「ダイバーシティ強化月間」で「男性育休」をテーマに取り上げ、期間中は郵便局をはじめとするすべての職場で、社員向けの勉強会を行う計画です。
日本郵政グループは今後も、育休取得が当たり前となる組織風土の醸成に向けて取り組んでいきます。