#みんなで作るみんなの郵便局 +エコ郵便局 Vol.1 焼杉製作ワークショップを開催

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焼杉製作ワークショップのダイジェスト動画はこちら

循環型資源の活用や再生可能エネルギーの導入を行う、環境に配慮した「+エコ郵便局(ぷらすエコゆうびんきょく)」。 その第1号として生まれ変わる丸山郵便局(千葉県南房総市)の外壁には、地域の皆さんと一緒に製作した焼杉が使用されます。

今回は、大人から子どもまで、たくさんの人たちの手によって作り出された、焼杉の製作風景をレポートします。

「+エコ郵便局」って、どんな郵便局?

日本郵政グループは、カーボンニュートラルの実現に向けたさまざまな取り組みを推進しています。その一環である「+エコ郵便局」は、地域のカーボンニュートラル化の推進を目的とした環境配慮型の新しい郵便局です。従来の郵便局にも増して先進的な取り組みを行っていこうという想いを「+(ぷらす)」という文字に込めました。

そんな「+エコ郵便局」の第1号として、旧店舗から移転のうえ開局するのが丸山郵便局です。

郵便局として初めてCLT(直交集成板)建材を使用することで、循環型資源の活用や林業の活性化に貢献します。また、局舎の屋根には太陽光による自家発電設備を設置し、使用電力の約40~50%を太陽光発電で賄うことでCO2の発生量を抑制します。

さらに丸山郵便局では、独自の取り組みとして外壁材に地元千葉県の杉板から作る「焼杉」を使うことにしました。焼杉とは、文字どおり"焼いた杉板"のことで、西日本に伝わる伝統的な外装材です。木の表面を焼いて炭化させることで、防火性・防腐・防蟻効果を持ち、しっかり作れば50年以上もつと言われるほどの耐久性があります。

丸山郵便局 完成イメージ図
丸山郵便局 完成イメージ図(リリース資料より)

「地域に長く愛される郵便局にするために、新築工事でもっとできることがないか、ずっと考えてきました。外装材もサスティナブルで耐久性のあるものを検討し、今回初めて焼杉を採用しました」と話すのは、新しい丸山郵便局の設計を担当するとともに、焼杉製作ワークショップを企画し、指揮をとってきた施設部の冨永 初穂(とみなが はつほ)さんです。

「当初は市販品を使用する予定でした。でも、局長と打合せを重ねるなかで、『地域の子どもたちと一緒に作れるといいですね。そのためには地区全体で協力します』とおっしゃってもらい、ワークショップで製作することになりました。この取り組みについては、地域の方々の注目度も高く、前向きに考えていただけたのがうれしかったです。
将来、子どもたちが丸山郵便局を利用したときに『自分たちが作った焼杉だ』と親しみを感じてもらい、環境を考えるきっかけとして、よい影響を与えられたらいいなと思います」(冨永さん)

日本郵政株式会社 施設部 冨永 初穂さん(一級建築士)
日本郵政株式会社 施設部 冨永 初穂さん(一級建築士)

地産地消の観点から千葉県産の杉板を使いたいと考え、地元の材木商に相談しました。今回、杉板を調達した材木商の早川 金光(はやかわ かねみつ)さまは、この郵便局の取り組みに共感していただいたお一人です。

「千葉県産の杉板をそろえるのは簡単ではありませんでしたが、地元の材料を使い、地元の子どもたちと一緒に郵便局を作りたいという思いに共感し、協力させていただきました」(早川さま)

株式会社早川 代表取締役 早川金光さま
株式会社早川 代表取締役 早川 金光さま

子どもたちのワークショップ参加を実現するために、運営のアドバイスや小学校へのチラシ配布など、教育委員会が一役買いました。

「焼杉のワークショップを通して新設の郵便局づくりに関わることは、子どもたちの郷土愛を育む機会になると考えて近隣の小学校に声をかけました」と話すのは、教育委員会の鈴木 理久(すずき のりひさ)さま。

「総合的な学習をさらに充実させていく観点からも、地域などの協力を得ながら、自然体験をはじめとした多様な学習をしていくことが推奨されています。郵便局、地元の企業との連携が、今後の一つのモデルになると期待しています」(鈴木さま)

教育委員会 鈴木 理久さま
教育委員会 鈴木 理久さま

地域の郵便局の局長たち、材木商、教育委員会、そして子どもたち。
みんなで力を合わせて、新しい郵便局の外壁材を製作するワークショップが実現します。

みんなの協力が成功の秘訣! 焼杉作りがスタート

子どもたちと保護者の方、地域の局長たちが3~4人で1チームとなり作業を開始。焼杉についての説明を聞いてから、安全に気をつけて焼杉を製作します。

<工程1>
3枚の板を三角に組む

まずは、焼杉にする板を「番線」と呼ばれる強度のある針金でしっかりと束ね、三角型に組みます。

木の表側には、名前や日にち、メッセージなどを書き込みました。外壁の裏側になるので見えなくなりますが、いつか発見されるかも!? 自分たちが作った証を残し、子どもたちの記憶に残る記念となります。

<工程2>
足場に立てかける

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次に、三角に組んだ木を足場に移動させます。木の長さは4mほどあり、大人の背丈の倍以上。みんなで持ち運んだら足場に立てかけます。

<工程3>
着火剤で火をつける

着火剤は、灯油とおがくずを混ぜた手づくりのもの。木の下側に置き、ライターで火をつけます。

<工程4>
板の内側を焼く

火は、煙突状になった空間を上っていきます。途中、鎌で隙間を開けて焼き加減を確認。5分ほどで内側が焼けて表面が炭化し、焼杉になります。

<工程5>
焼いた板を引き倒す

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火が付いた状態の木を足場から引き倒します。横向きにすることで自然と消火に向かいます。

<工程6>
水をかけて消火

番線をほどいてみると内側は真っ黒! ホースで水をかけて完全に火を消します。

<工程7>
乾燥

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しっかり炭化した焼杉板ができあがりました! 今後、保管場所で完全に乾燥させ、外壁として利用されます。

参加した地域の皆さんから多くの感想をいただきました!

焼杉を作るワークショップでは、針金で木をくくったり木を燃やしたりと、ふだんできない体験がたくさん。最初は緊張気味だった子どもたちも、何回か挑戦するうちに真剣な顔つきに変わり、ものづくりの楽しさを実感している様子でした。

<小学6年生>
焼杉ってめずらしいなと思って参加しました。自分で杉板に火をつけたり、焼き加減を見たりできておもしろかったです

<小学3年生>
今日はおばあちゃんと友だちと一緒です。とっても楽しみにしていました

<小学2年生>
針金がかたくてちょっと難しかったけど、がんばったよ

<小学2年生>
郵便局ってお手紙を出しに行くところだよね。いい郵便局になるんだね! 楽しみ

<小学3年生>
木にお絵かきをして楽しかった。もう一回やりたい!

<小学5年生>
スギのいいにおいがしてびっくりした!

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<保護者の方1>
焼杉はなかなかできない体験なので参加しました。新しい郵便局は駐車場も広くなるみたいで、使いやすくなりそうですね

<保護者の方2>
自分たちが作った焼杉が外壁になるなんてうれしいです

<保護者の方3>
子どもたちを誘って参加しました。最初は興味なさそうだったんですが、始まったら夢中になって楽しんでいました

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丸山郵便局は、春の開局に向けて建設中

丸山郵便局は、皆さんと一緒に製作した焼杉を外壁に使って建設を進め、2022年の春に開局を予定しています。人の手によって一本一本丁寧に作られた焼杉は、丸山郵便局の象徴として末永く親しまれる存在になるでしょう。

「+エコ郵便局」は、丸山郵便局をはじめとして、2023年度までに全国各地で10局程度を建設予定です。地域の人々に愛される郵便局を作っていきますので、どうぞご期待ください。

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※撮影時のみマスクを外しています。

#みんなで作るみんなの郵便局 +エコ郵便局 Vol.2 みんなで作った焼杉を外壁に使った丸山郵便局が完成!

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