日本郵政グループ女子陸上部に期待の新星が加入! カリバ・カロライン選手にインタビュー

日本郵政グループ女子陸上部に期待の新星が加入! カリバ・カロライン選手にインタビュー

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2014年に創部し、今年で11年目を迎える日本郵政グループ女子陸上部。
これまで3名のオリンピック選手を輩出し、駅伝では3度日本一を達成。「手紙を運ぶ郵便」と親和性のある「たすきをつなぐ駅伝」は日本郵政グループ女子陸上部の一つのシンボルともなっています。

今年の新加入選手はケニア出身、鹿児島県の神村学園高等部を卒業したカリバ・カロライン選手。同じく神村学園の卒業生である田島 愛梨(たしま あいり)選手とともに、高校時代の思い出や日本郵政グループ女子陸上部の印象、今後の抱負などを伺いました。

カリバ・カロライン・ワンジュク選手

カリバ・カロライン・ワンジュク選手

ケニア出身、神村学園高等部卒業。12歳から陸上を始め16歳で来日。高校2年・3年時の全国高校総体では1500m・3000mで2年連続2冠を達成。高校3年時の全国高校駅伝では5年ぶりの優勝に貢献。
1500mと3000mの国内国際高校最高記録保持者。

田島 愛梨(たしま あいり)選手

田島 愛梨(たしま あいり)選手

愛知県出身、神村学園高等部卒業。小学5年生から陸上を始め、神村学園高等部では2年・3年時に全国高校駅伝2年連続3位に貢献。
1500m・3000mを中心にスピードランナーとして活躍。
入社1年目の2023年6月にはU20アジア陸上競技選手権大会の1500mで4位入賞。

祖国を離れて日本で陸上選手を目指した理由

――カロライン選手は2020年に神村学園に留学し、この春、日本郵政グループ女子陸上部に加入しました。日本に来られたきっかけを教えてください。

カロライン:私はケニアのニャフルルという地域で生まれ、アマチュアランナーだった母の影響で、12歳のときに陸上を始めました。だんだんと良い記録を出せるようになったときに、神村学園の有川 哲蔵(ありかわ てつぞう)監督に声をかけてもらったんです。神村学園にはこれまでもケニア人の選手が留学していましたし、憧れていたカマウ・タビタ・ジェリ選手(現:三井住友海上女子陸上競技部所属)も所属していたので、そこも決め手になりました。

――初めて体験する日本での生活は、大変ではありませんでしたか?

カロライン:もちろん最初は言葉もわかりませんでしたが、監督やチームにも温かく迎えてもらって、少しずつ日本での生活に慣れていきました。 記録も伸びて、2022年と2023年の全国高校総体では、1500mと3000mの2種目で2年連続2冠を達成することもできました。そしてキャプテンを務めた3年生の全国高校駅伝では、最終区間の5区で順位を2つ上げて逆転し、5年ぶりに優勝することができました。私にとってすごくいい思い出です。

神村学園で留学生ながらキャプテンを務めたカリバ・カロライン選手
神村学園で留学生ながらキャプテンを務めたカリバ・カロライン選手

――キャプテンを務める際には、どんなことを心がけていましたか?

カロライン:私がいつも心がけていたのは、自分がいいお手本になって、部員たちを引っ張っていくということでした。だから毎日の練習もレースと同じように真剣に取り組んでいました。

――田島選手は同じ神村学園出身で、カロライン選手とは同年代です。 高校時代のカロライン選手の印象を教えてください。

田島:最初は大変だったと思います。そもそもカーロ(カロライン)は家族から離れて日本という外国で暮らし始めたわけですし、コロナ禍で高校入学が11月に遅れたことで翌年も1年生として生活を送ることになってしまって。またいっしょに生活するうえで言葉の壁もありました。

でもカーロは日本語を必死に覚えながら、毎日の練習も本当に頑張っていました。カーロが入部してきたときは、とてもうれしかったのを覚えていますね。私もカーロと同じように、カマウ・タビタ・ジェリ選手に憧れていましたし、自分もトップクラスのランナーといっしょに練習することがステップアップにつながると思っていましたから。2022年の全国高校総体ではカーロといっしょに1500mに出場し、カーロは優勝、私は4位に入賞することができ、いっしょに表彰台へ立てたことはすごくいい思い出です。あのときのレースは今でも深く印象に残っています。

日本郵政グループ女子陸上部は、ランナーとしてステップアップできる理想的な環境

田島選手(左)とカロライン選手(右)

――田島選手は卒業後、トップランナーを目指し、昨年春に日本郵政グループ女子陸上部に加入しました。カロライン選手は、どうして日本郵政グループ女子陸上部を選ばれたのですか?

カロライン:私も高校を卒業したら日本でトップクラスの陸上部に入り、さらにレベルアップをしたいと思っていました。だから髙橋 昌彦監督に声をかけていただいたときは、とてもうれしかったです。

まだ入部したばかりなのでわからないことだらけですが、監督やコーチ、選手の皆さんも家族のように優しくしてくれるので、とても安心して生活をスタートさせることができました。部屋も素敵でトレーニング施設も立派なので、日本郵政グループ女子陸上部を選んでよかったと思っています。

――寮生活はいかがでしょうか。

カロライン:東京での生活は初めてなので最初は緊張していました。でも、田島選手がいつも話し相手になってくれていますし、食事もおいしいので、自分は幸せだなと感じています。それと毎日の練習も本当に充実しています。高校の練習は、他の選手と別のペースで行うことが多かったのですが、日本郵政グループ女子陸上部ではみんなといっしょに練習することができているので、とても頑張れます。チームには廣中 璃梨佳(ひろなか りりか)選手のようなトップクラスのランナーもいるので、とても参考になります。

同じ神村学園から、1年先に日本郵政グループ女子陸上部に加入した田島選手(左)
同じ神村学園から、1年先に日本郵政グループ女子陸上部に加入した田島選手(左)

――田島選手は日本郵政グループ女子陸上部で1年先輩にあたりますが、アドバイスなどはされましたか?

田島:生活面に関しては、相談に乗ったり、こうした方がいいよという話をしたりすることはありますね。東京には鹿児島にはないようなかわいいお店がたくさんありますし(笑)、東京ディズニーランドにもぜひ、いっしょに遊びにいきたいと思っています。

でも、競技面で私の方からアドバイスをするような場面は全然ないですね。カーロは高校時代からしっかり目標を立てて自分で頑張っていくタイプでしたし、すごく自立しているんです。とてもシャイですけど、根っからの頑張り屋さんです。

実業団というのは、自分自身の意思で積極的に動いていくことが大切だと感じているので、そういう意味で、カーロは実業団に向いていると思います。カーロが言ったように、日本郵政グループ女子陸上部にはトップクラスの選手がそろっていますから、自分の意識の持ち方や頑張り次第で、さらに記録を伸ばしていくことができると思います。

新天地でさらに大きく膨らんでいく将来への夢と希望

カロライン選手(左)と田島選手(右)

――カロライン選手は、日本郵政グループ女子陸上部の一員として、どんな選手を目指したいですか?

カロライン:高校時代は1500mや3000mがメインでしたが、日本郵政グループ女子陸上部では徐々に距離を伸ばしていきたいと思っています。もちろん駅伝の優勝にも貢献していきたいです。そして、将来的にはマラソンにも挑戦してみたいと思っています。

また今年は、パリでスポーツの祭典もあるので出場を目指しています。出場するのは昔からの夢ですし、私はケニア出身の、かつて5000mで2度銀メダルを獲得したヘレン・オビリ選手をいつも目標にしています。

大会に出場して活躍するためには、まずケニアの国内予選で勝って代表に選ばれなければいけませんが、実現すればケニアにいる家族、そして日本郵政グループ女子陸上部の皆さんも喜んでくれると思います。

――頼もしいチームメイトが加わったことで、田島選手もいい刺激を受けているのではないでしょうか?

田島:カーロの走り方は、着地が安定していて上半身がほとんどブレないので、すごくきれいなんです。私は高校時代、カーロといっしょに練習することで、基準となるペースが上がったり、普段のJOGのペースも上がるなど、スピードの出せる走り方を身に付けることができ、記録を伸ばすことができました。

日本郵政グループ女子陸上部でも髙橋監督の下でカーロや先輩方といっしょに練習を重ねて、チーム一丸となって駅伝優勝を目指していきたいですね。それがカーロや私たち全員の目標であり、夢なんです。

カロライン選手(左)と田島選手(右)

髙橋監督「"新キャプテン"と"新加入選手"。さらなるチームの活躍に期待を」

髙橋 昌彦(たかはし まさひこ)監督

髙橋 昌彦(たかはし まさひこ)監督

2014年に創部した日本郵政グループ女子陸上部初代監督。創部以来、10シーズンで3度の女子駅伝日本一を達成。8年連続でクイーンズ8入り(8位入賞・シード権獲得)の記録を現在更新中。
かつては、小出 義雄(こいで よしお)監督の下、コーチとして高橋 尚子(たかはし なおこ)選手をサポートした経験を持つ。

2014年に創部した日本郵政グループ女子陸上部は、4月で創部10周年を迎えました。ここまで社員の皆さんをはじめ、たくさんの関係者の方々に支えていただきながら、OGを含む34名の選手たちの努力の積み重ねによって3度の女子駅伝日本一を達成。国内外のレースでもたくさんの好成績を挙げ、国内トップチームとしての存在感を示してきました。

創部11年目のシーズンとなる2024年度のチーム目標は、クイーンズ駅伝において4度目の優勝を果たすこと。新キャプテンに就任した入社6年目の菅田 雅香(すがた みやか)選手(2023年日本選手権10000m 7位)を中心に、新加入のカリバ・カロライン選手を迎えた、新チームの活躍にご期待いただけたらと思います。

引き続き、ご声援のほどよろしくお願いいたします。

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