郵政にまつわるエトセトラ Vol.3 ラジオ体操の歴史

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日本郵政グループにまつわる雑学や豆知識をご紹介する本企画。今回は多くの人に親しまれている「ラジオ体操」をテーマに、その歴史やトリビアについてご紹介します。

ラジオ体操って実は......。今すぐだれかに教えたくなるラジオ体操のトリビア

【写真】郵政博物館提供

トリビア① 実は......。現在のラジオ体操は3代目!
皆さんはラジオ体操というと、どんな運動を思い浮かべるでしょうか。
実は、私たちが親しんでいるラジオ体操は3代目にあたり、誕生した当初とは少し運動の内容が違っています。ちなみに、2代目にあたるラジオ体操には第一、第二体操に加えて第三まで存在していました。第三の伴奏用レコードは、現在、郵政博物館に収蔵され、展示しています。

トリビア② 実は......。ラジオ体操指導ができる資格がある!
また、ラジオ体操には「ラジオ体操指導士(1級・2級)」「ラジオ体操指導員」の3種類の資格認定制度があります。この公認指導者資格認定制度は、ラジオ体操を実践されている方々を対象に、その理論と実技、指導方法等に対して統一した基準に基づく審査を行うもので、その試験の正式名称は「NPO法人全国ラジオ体操連盟公認指導者資格認定試験」。認定者が、地域や職域でのラジオ体操等のより一層の普及推進を図り、少子・高齢化社会における国民各層の身体機能の向上と健康の維持・増進に資することを目的に実施されている制度です。

(出典:NPO法人 全国ラジオ体操連盟)

トリビア③ 実は......。1,000万人が一斉に参加するラジオ体操イベントがある!
ラジオ体操には、なんと1,000万人が一斉に参加するイベントがあります。それがかんぽ生命が行う「1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭」で、1962年から毎年1回、日本中のさまざまな自治体で開催されています。このラジオ体操最大のイベントは、すでに2024年の開催も決定していますので、開催を希望される自治体(市区町村)さまは、ぜひ申し込んでみてはいかがでしょうか。

「第63回1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭」(2024年)の開催希望お申し込み

誕生以来、多くの人たちから愛され続ける"国民的な体操"!

【写真】郵政博物館提供

ところで、最初のラジオ体操がいつはじまったのか、皆さんはご存じでしょうか。初代にあたるラジオ体操の放送がはじまったのは、1928年11月1日のことです。

では、なぜ日本でラジオ体操がはじまったのでしょうか。その導入を推進したのが、逓信省簡易保険局(現かんぽ生命)監督課長の猪熊 貞治(いのくま さだはる)と同規格課長の進藤 誠一(しんどう せいいち)です。猪熊は、1923年、欧米の簡易保険事業を調査するため現地に出張したとき、保険会社がラジオ放送で体操を流す計画があることを知り、その画期的な試みに感心しました。そこで帰国後、欧米で得た見聞をもとに「国民の健康保持に基づく社会的幸福増進事業」としてラジオを用いた体操事業を日本に紹介。その結果、日本放送協会や文部省、生命保険会社協会の協力のもと、昭和天皇陛下ご即位の大礼を記念して、「国民保健体操」の名称で国民の健康保持増進を目的に放送が開始されるに至りました。

1930年7月には、神田万世橋署の面高巡査が「ラジオ体操の会(子どもの早起き大会)」をはじめ、その後、全国に普及していきました。さらに1932年になると、より高度な運動を取り入れた「第2ラヂオ体操」がつくられ、同年7月21日からはその放送が開始。そして、これと同時にはじまった「夏休み全国ラジオ体操の会」をきっかけに、ラジオ体操は全国津々浦々に広がっていったのです。

こうして初代ラジオ体操は人気を高めていきましたが、1946年に放送が中止されます。同じ年には2代目にあたるラジオ体操の放送がはじまったものの、その運動内容の難しさ等からあまり普及せず、1947年8月には放送が中止されました。しかし、誰もが行える気軽な運動としてラジオ体操の復活を望む声は多く、1951年5月に3代目のラジオ体操の放送がはじまると、翌年には第二体操もつくられます。この3代目ラジオ体操こそが、私たちがよく知っている「ラジオ体操第一・第二」で、以来、年齢や性別を問わず、いつでもだれでもどこでも手軽にできる運動として、日本人の健康増進・体力づくりに大きく寄与してきました。

\知っておくと役立つ、ラジオ体操の豆知識/~正しいラジオ体操の動き~

ラジオ体操第一の最初の運動と最後の運動は動きが似ていることから同じ運動と思われがちですが、実はまったく違う運動です。

最初の運動は、「伸びの運動」といいます。腕を上にあげたときに背中をグーッと伸ばすのは、ラジオ体操をより円滑に行う準備を整えるため。日ごろ丸まりがちな背中をしっかり伸ばすためには、腕だけでなく脚を意識するのもポイントで、腕を上方向に伸ばすと同時に、脚は床を押すようにして下方向に伸ばします。これにより、身体が上下互いに引っ張られるため、全身をしっかり伸ばすことができます。

一方、最後の運動は「深呼吸」です。深呼吸は大きくしっかり息を吸って全部吐き切ることを意識して行います。ラジオ体操の効果を高めるためにも、こうした違いをしっかり意識して取り組んでみてください。

動画で正しいラジオ体操の仕方をチェック!
・【サクッと!ラジオ体操】①最初と最後の運動の違い
・ラジオ体操第一・実演
・ラジオ体操第二・実演

ラジオ体操で心も体も元気になろう!

では最後に、NHKテレビ・ラジオ体操で約10年にわたり実技出演者として活躍したのち、現在はかんぽ生命の広報部でラジオ体操の魅力と可能性を全世界へ発信し続けている、五日市 祐子(いつかいち ゆうこ)さんから皆さんへのコメントをご紹介します。

ラジオ体操は、「いつでも、どこでも、だれでも」行える体操として、長年多くの日本人に親しまれています。健康な身体で健やかな生活を送っている皆さんにはピンとこないかもしれませんが、何事もなく生活できることはありがたいことです。でも、大なり小なり人は衰えていきます。そんなときに、ふと「ラジオ体操をやろうかな?」と思うようになるものです。そのときには、できれば正しい動作を知って、より効果的なラジオ体操を続けて欲しいなと思います。

今も日本中で広く親しまれ続けているラジオ体操。その長い歴史やトリビアを知ることで、皆さんにとってより興味深い存在になったり、より身近なものに感じられるようになったりしたのではないでしょうか。今回の企画をきっかけに、日々の健康づくりにラジオ体操を役立てて、身体を動かす喜びを思い切り味わってみてはいかがでしょうか。

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