離れて暮らす大切な人のために。「郵便局のみまもりサービス」がお届けする安心

離れて暮らす大切な人のために。「郵便局のみまもりサービス」がお届けする安心

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郵便局が離れて暮らす家族をつなぎ、安心をお届けする「郵便局のみまもりサービス」。
その運用を担う日本郵便株式会社 地方創生推進部の井上 智晶(いのうえ ちあき)さんと、金岡郵便局(秋田県山本郡三種町)の門脇 純也(かどわき じゅんや)さん、齋藤 正樹(さいとう まさき)さんのインタビューを通じてサービスの意義と魅力に迫ります。

井上 智晶(いのうえ ちあき)さん

日本郵便株式会社 地方創生推進部 主任

井上 智晶(いのうえ ちあき)さん

2017年、日本郵便株式会社入社。九州支社にて手紙振興や女性活躍推進などの業務に携わった後、本社勤務となり2020年より現職。郵便局のみまもりサービスを担当。

門脇 純也(かどわき じゅんや)さん

金岡郵便局 局長

門脇 純也(かどわき じゅんや)さん

1993年、当時の郵政省に入省。宮城県の郵便局に勤務した後、秋田県でこれまで5つの郵便局勤務を経て、2023年4月より現職。

齋藤 正樹(さいとう まさき)さん

金岡郵便局 主任※

齋藤 正樹(さいとう まさき)さん

1995年、当時の郵政省に入省。福島県の郵便局で11年間にわたり窓口業務を担当。その後、秋田県の郵便局勤務となり、2017年より現職。

※取材時(2023年10月)の所属を記載しています。

家族が安心して暮らすお手伝い。「郵便局のみまもりサービス」とは

――「郵便局のみまもりサービス」は、どんなサービスですか。

井上:2017年にスタートした、離れて暮らす家族をサポートするサービスです。家族が離れて暮らしている場合に対するサービスとしては、センサーなどによる安否確認や、緊急通報のような見守りサービスなどがありますが、私たちの「郵便局のみまもりサービス」はそういったサービスと違い、対面や電話を通じて、生活状況の確認を行うサービスとなっています。対面で行う「みまもり訪問サービス」と電話で行う「みまもりでんわサービス」の2つのメインサービスに加えて、オプションとして、もしものときに警備会社が駆けつける「駆けつけサービス」があります。

――メインの2つのサービスについて具体的に教えてください。

井上:「みまもり訪問サービス」は、月に1回、郵便局社員がお客さまのご自宅を訪問するサービスです。直接お会いして会話をし、その様子を写真付きの報告書で離れて暮らすご家族などにお伝えします。さらに追加料金なしで、ケガで入院された場合に保険金が支払われる「みまもり保険」のほか、介護に関する相談や24時間医療に関する相談ができる各種相談窓口が利用できることも特長です。「みまもりでんわサービス」は、お客さまへ毎日お電話(ナレーターの自動音声)で体調確認を行うサービスです。毎日同じ時間帯にお電話し、お客さまがその日の体調に合わせて電話機のボタン1~3のいずれかを選択して回答し、その内容をご家族などにメールでお知らせするサービスです。毎日お電話で体調確認を行いつつ、月に1回の訪問で詳細を確認することで、よりきめ細かく状況確認をしたいというお客さまのニーズにもお応えできます。

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「みまもり訪問サービス」では、お客さまのご自宅を訪問し、会話を通じて生活状況を確認します

――サービスが生まれた背景についてお聞かせください。

井上:高齢化や過疎化が進むなかで、高齢者の方と離れて暮らすご家族が安心して生活ができるお手伝いができればという想いからサービスが生まれました。

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確認した生活状況を離れて暮らすご家族などにメールで報告します

井上:そして、高齢化や過疎化といった社会課題は一部の地域だけのものではないため、さまざまな地域で人を介したサービスを提供できるというのは、全国にネットワークを持つ郵便局だからこその取り組みだと思っています。さらに、ご利用のお客さまからは「郵便局の人が来てくれるなら安心」というお声もいただいています。対面で会話をするからこそ、顔色の良し悪しですとか、会話の受け答え、ご自宅の様子などの変化にも気づくことができるのが強みだと考えます。

――郵便局ならではのネットワークや安心感が魅力ですね。

井上:そうですね。全国各地でサービスをご利用いただけるというのは、私たち「郵便局のみまもりサービス」の大きな強みです。山間部にお住まいのお客さまから、「月に1回、家に来てもらえるだけでうれしい」と感謝のお言葉をいただくこともあります。

今、元気でも、一人暮らしでも。月に1度の"転ばぬ先の杖"

――サービスを利用できるのは、家族が離れて暮らしている場合だけでしょうか。

井上:離れて暮らすご家族同士でという使い方はもちろん、身寄りのない一人暮らしの方がご自身で契約することもできます。また、「みまもり」という言葉のイメージから、元気なうちは不要なものといった印象を受けるかと思いますが、"転ばぬ先の杖"のような感覚で安心材料の一つとして、今、元気にお過ごしの方にもご利用いただきたいです。

――そういった利用の仕方もあるのですね!

井上:そうなんです。現在ご契約者の半数ほどは、ご自身で契約されていて、郵便局社員との月に1度の会話を楽しみにしているという声をいただいています。また、訪問した際の報告先は、必ずしも親族の方でなくても構いません。例えば、自治体やケアマネジャーの方が報告先になっているケースもあります。さらに「みまもりでんわサービス」を不動産会社が契約して、賃貸物件の入居条件とする利用方法もありますので、さまざまな場面で幅広くご活用いただけます。

――サービスの運用に携わってどのような点にやりがいを感じますか。

井上:やはり、お客さまからの感謝の声をいただくと、お客さまに喜んでいただいているサービスだと実感します。以前実施したお客さまアンケートで94%もの方から「サービスに満足している」との回答をいただきました。

みまもりサービスのリアル。~訪問担当社員の声~

「郵便局のみまもりサービス」の開始当初から訪問担当を続ける金岡郵便局(秋田県山本郡三種町)の齋藤さんと、訪問担当の経験を持つ局長の門脇さんにもお話を伺いました。

金岡郵便局で働く皆さん。お客さまは顔なじみの人ばかりで、局内はアットホームな雰囲気に包まれています

――齋藤さんは、お一人のお客さまをずっと担当されているそうですね。

齋藤:はい。担当して5年ほどです。勤務する金岡郵便局から2~3kmほどのところで一人暮らしをされている90代の男性のご自宅に毎月訪問していて、お子さまたちに報告をしています。

――お客さまがサービスを利用されたきっかけを教えてください。

齋藤:2017年にサービスが始まるとき、私たちの地域でも、離れて暮らしているご家族にサポートができないかと思い、一人暮らしをされている方などにお声かけしました。ちょうどお盆の時期だったので、お客さまのところに息子さんと娘さんが帰省されていて、ご家族の皆さんにご案内をしたところ、お子さまたちが「離れていても父の生活状況を知ることができるのは安心だし、試しに利用してみて、よかったら続けようか」と始められたのがきっかけです。

――それからずっと継続して利用されているのですね。

齋藤:はい。最初は息子さんからご依頼をいただいて月に1回訪問をしていたのですが、娘さんからも追加でご依頼をいただいて月に2回の訪問になり、5年間ずっと継続してご利用いただいています。

――ご自宅に訪問するときは、どのようなお話をしますか。

齋藤:健康状態の確認から、日常の出来事やお出かけしているかどうか、などをお伺いしています。お客さまが多趣味な方で、昔は登山や海釣り、水彩画などをされていたそうで、いろいろな趣味のお話もしてくださいます。今は庭でバラを育てていらっしゃるので、植物の話をすることも多いですね。

訪問後は、会話のなかで聞き取ったお客さまの体調の変化や気づいた点などを、報告書にまとめます

――お子さまたちへの報告はどのようにされていますか。

齋藤:30分ほど会話をした内容に加えて、お会いしたときの様子や私が気づいたことをコメントにまとめます。持参したタブレットでお客さまの写真のほか、ご自宅や庭の様子がわかる写真を撮影してお子さまたちへ送っています。

報告書「郵便局のみまもりだより」のサンプル

――5年間に渡って訪問されているからこそ気づくことや、コミュニケーションで気をつけていることはありますか。

齋藤:定期的にお会いすることでちょっとした変化に気がつきやすいと思います。そして、年齢を重ねられて当初よりもお耳が遠くなっていらっしゃるので、大きめの声で話して身振り手振りも交えてコミュニケーションを図るようにしています。

――やりがいを感じるのはどんなときですか。

齋藤:やっぱり、お客さまに感謝してもらえたとき、笑顔を見ることができたときですね。以前、落雷が原因でブレーカーが故障したのか、訪問したときに電気が点いていなかったんです。お客さまはどうしたらよいのかわからない様子でした。「まずは電力会社に電話を」など対応をお手伝いさせていただいたときは、とても喜ばれて、笑顔を見ることができて、とてもうれしかったですし、定期的に生活状況を確認するこのサービスの大切さを改めて実感しました。

――それは、心強く感じられたでしょうね。局長の門脇さんも、以前お勤めの郵便局で「郵便局のみまもりサービス」を担当されていたそうですね。

門脇:はい、やはり一人のお客さまへの訪問を数年継続して担当していました。どこの地域でも、高齢者で一人暮らしの方は多いですね。離れて暮らすご家族とは、皆さん電話やスマートフォンなどで連絡は取ると思いますが、やはり顔と顔を合わせて会話をしたり写真を撮ったりした方が、より様子がわかってよいのかなと感じます。

――会話から変化に気づくこともありますか。

門脇:そうですね。年配の方のなかには、ご家族に心配をかけまいと、ご自分の心配事をあまり話さない方もいらっしゃって、むしろ第三者の方が話しやすい場合もあると思います。私たち郵便局社員だからこそ、ご家族には話しにくい内容を聞かせてくれることもあります。私たちが訪問した際の報告書によって、ご家族が初めて知る出来事や変化も少なくありません。訪問先のお客さまにとっても、第三者でありながら「近くの郵便局の〇〇さんが来る」というのは、気軽に話ができる、とてもよい距離感なのではないでしょうか。

にこやかに談笑する門脇さんと齋藤さん。みまもりサービスの取り組みにやりがいを感じると語ります

郵便局のネットワークを活かして、さらに安心感のあるサービスへ

――郵便局のみまもりサービスの今後の展望を教えてください。

井上:今後も高齢化が進む社会の課題解決に対して、郵便局のネットワークが今以上にお役に立てるようにサービスの見直しを図っていきたいと考えています。そして、利用者の方とそのご家族が安心して毎日を送れるサービスに育てていきたいです。

――最後に、サービスに興味をお持ちの方へメッセージをお願いします。

井上:手前味噌になりますが、サービスを利用される前は「必要ないのでは」と感じていた方でも、ご利用を始めてから「家族の様子がわかるのはとても安心できる」といったお声をいただくなど、実際に利用してみて初めて気づくよさがあるようです。ぜひ、ご興味ある方は、まずは一度ご利用いただければと思います。

「郵便局のみまもりサービス」の詳細はこちら
「地域の高齢者とそのご家族に安心を届ける。自治体とタッグで取り組むスマートスピーカーを活用した郵便局のみまもりサービス」記事はこちら」

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