時代が見える!?年賀はがきお年玉賞品の変遷と今

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年賀状のお楽しみの1つである、お年玉くじ。抽せんでもらえる賞品には、これまでにどんなものがあったかご存じでしょうか。時代とともに変遷してきた賞品を見ると当時の生活を垣間見ることができるかも。今回は、2023年用年賀はがきのお年玉賞品を担当した日本郵便(株) 郵便・物流事業企画部 切手・葉書室の山本佳輝さんに、賞品選定の考え方などを伺いました。

【今回のナビゲーター】

山本 佳輝(やまもと よしき)さん

2017年入社。日本郵便株式会社 郵便・物流事業企画部 切手・葉書室所属。
現在は主に年賀はがきやお年玉賞品の企画を担当。

年賀はがきお年玉賞品の変遷

■主な年賀はがきお年玉賞品(最高賞品)の変遷

昭和25年(第1回):お年玉くじスタート ミシン(昭和25年)
昭和30年代:実用品から娯楽的なハイテク製品へ 電気洗濯機(昭和31年)
タンス(昭和33年)
ステレオ装置(昭和36年)
8ミリ撮影機(昭和38年)
昭和40年代:レジャー志向が強まり、デジタル製品も登場 ポータブルテレビ(昭和40~42年)
折りたたみ式自転車または電子卓上計算機(昭和48年)
昭和50年代・60年代:産業技術の発達に伴う新製品が登場 ラジオ付きテレビ(昭和54年)
カラーテレビ(昭和58年)
電子レンジ(昭和59~60年)
カメラ一体型ビデオ(昭和63年)
平成元年~:海外旅行、選べる賞品へ 海外旅行券(平成元年)
衛星放送受信回路内蔵型AVテレビ(BSアンテナ付)・旅行券・羽毛掛ふとん(ペア)の中から1点選択(平成5年)
液晶テレビ・ノートパソコン・カーナビゲーション・電動補助力付自転車・高画質デジタルカメラ+プリンタセットの中から1点選択(平成14年)
平成26年:初めて現金が登場 現金1万円
令和4年~5年(現在):電子マネーや特殊切手集も 現金30万円または選べる電子マネー31万円分
または前年発行特殊切手集&現金20万円
1950(昭和25)年用 お年玉くじ付き年賀郵便のポスター【写真:郵政博物館収蔵】
年賀はがき抽せん会
1951(昭和26)年大阪中央公会堂
【写真:郵政博物館収蔵】

賞品は、どのように選定しているの?

年賀状のやり取りは、様々な年代の方が行うものですので、世代を問わず喜んでいただけるよう、その時代にあわせたお年玉賞品を選定しています。

年賀はがきにはじめてくじが付いたのは、1950(昭和25)年用の年賀はがきで、最高賞品は「ミシン」でした。当時会社員の初任給が3千~4千円の時代に、「ミシン」は値段が約1万8千円という高級品で憧れの的だったんです。

以降は、テレビをはじめとするデジタル製品や海外旅行券など、世相を反映しながら変わってきました。
近年では、多様化したニーズにお応えできるよう、現金や電子マネーを賞品としています。

また昨年から、ここでしか手に入らない日本郵便オリジナルの賞品をと考え、1年間に発行した切手と切手デザイナー全員が干支をテーマにイラストを描き下ろしたオリジナルのフレーム切手を収録した切手集も用意しています。

今回の切手集に収録される、干支をテーマにしたオリジナルのフレーム切手(本邦初公開です!)

年賀状を受け取った人にくじの賞品が当たる

年賀状は、新しい年を迎えるにあたって、みなさん一枚一枚、送る相手のことを想いながら気持ちを込めて出していただいているものです。
私たちも、年賀状を送る方の「相手に喜んでもらいたい」という気持ちに応えるとともに、年賀状を受け取った方の喜びがより大きなものとなるよう、年賀状を受け取った方にくじの賞品が当たる仕組みとしています。
年賀状をもらってもくじは確認しないという方もいると聞きますが、「実は1等賞品が当せんしていた!」なんてこともあるかもしれないので、ぜひ確認してみてはいかがでしょうか。

2023年用年賀はがき お年玉抽せん会の様子(動画)


            

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